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2200.「何度も雪に埋められた男の話」の謎を解く! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月14日(木)22時22分43秒

そもそもの発端は、昭和六十三に刊行された夢枕獏氏の『奇耽草子』に掲載された「何度も雪の中に埋められた死体の話」という奇談にありました。
この『奇耽草子』は純粋な小説ではなく、夢枕氏が様々な場所で見聞きした不思議な話を紹介するという、現代版の「耳袋」もしくは「狗張子」ともいうべき本ですが、その中で夢枕氏自身が「どこから仕入れたのか全く記憶にない」話として紹介しているのが、この「何度も雪に埋められた死体の話」という物語です。
雪山で遭難した二人の男が山小屋に閉じ込められ、だんだん食料が少なくなり、一方の男が連れの男を殺して雪の中に埋めてしまいます。しかし罪の意識から、眠っている間に夢遊病者のように埋めた男を掘り起こして小屋の中に運んでくるのですが、目覚めた時には自分が何をしたのか覚えておらず、埋めた筈の死体が小屋の中にあるのを見て驚愕します。そしてまたその死体を埋め、眠っている間にまたその死体を掘り起こす……といった話です。
で、この話を夢枕氏が雑誌に発表した後、複数の読者から投書があり、この話はサミュエル・ホプキンズ・アダムスの書いた恐怖小説『テーブルを前にした死骸』のバリエーションではないかという指摘を受けたというのです。しかもその指摘をした読者のひとりというのが、当時デビューしたばかりのホラー作家、井上雅彦氏であったというのですから、興味深い話ではありませんか。
夢枕氏はその井上氏の手紙の一部を、このように引用しています。

 (略)この「テーブルを前にした死骸」のストーリーは、この作品を読む前から知っていたよ
 うな気がするのです。
  しかも、そのあとこのストーリーがこのアンソロジー(創元推理文庫『怪奇小説傑作選』第
 二巻)に収録されたこともしばらく忘れておりました。
  今回、大兄の『奇耽草子』の冒頭を読んだ時、小生は何故大兄と同じ記憶を持っているのか
 と怖いような不思議な気分に襲われたくらいです。
  そこで、何とか記憶を辿ってこの本を捜し出したというわけなのです。
  この作品『テーブルを……』を読み直して驚いたことには、ここでも冒頭で作者が、この物
 語の原典を、
 『すでに忘れられた作者が、忘れられた誌上に載せたものだったかも知れない』
  と、ことわっていることです。
  小生は怖くなってきました。
  もしかすると、この物語のベースとなっているフィクションなどは、この世には存在せず、
 それは無意識の領域を通じて特定の人々の頭の中に語られてくる物語ではないだろうか。見え
 ざる語り部が人々の夢の中で伝えていく維持減のフォークロアではないだろうか……。
  
いささか長い引用になりましたが、実は私も井上氏と全く同じ体験をしているのです。私が『テーブルを前にした死骸』を読んだのは中学二年の時でしたが、読み終えた瞬間、「この話はずっと以前に、どこかで聞いた記憶がある!」と直感しました。しかしそれがいつ、どこで聞いたものなのか、あるいは読んだものなのかが全く判らず、井上氏と同様に漠然とした恐怖を感じていたのですが……。
今回、ようやくその理由が判りました!
私はこの話を、昭和四十三年に秋田書店より刊行されていた世界怪奇スリラー全集の第4巻、『世界の謎と恐怖』に収録されていた「夜歩く死体」として読んでいたのです。
「夜歩く死体」は、暴君ネロの迫害に最後まで抵抗して処刑されたキリスト教の指導者・聖ピエトロの死にまつわる奇談で、彼とともに指導者的立場にありながら、ネロの拷問に屈して転宗したベルナルドが罪の意識から、眠っている間にピエトロの死体を墓地から掘り返し、自分の家に運び込み、朝になってピエトロの死体を発見して驚愕し、思わず槍を自分の胸に突き立てて自殺してしまうという話です。事件を発見した第三者の眼からは、ピエトロの死体が墓から生き返ってベルナルドを刺し殺したように見えるという、一種ミステリー仕立ての怪談です。
井上氏は私と同年代ですので、この本を読んでいた可能性は大きいと思います。『テーブルを前にした死骸』に対する同氏の奇妙な既知感は、この本のせいではないかと思いますが……。芦辺さん、今度井上氏にお会いした時に、話のついでに聞いていただけないでしょうか?
尤も、これでもまだ謎は残るのです。「夜歩く死体」を書いた作者(梶原一騎氏の弟の真樹久佐夫氏)は、どこでこの話を仕入れたのか? 単純に『テーブルを前にした死骸』を焼き直しただけなのか? あるいは井上氏の言うように、見えざる語り部に夢の中で囁かれたのか……? 話はますます奇妙なものになっていきます。
う〜む、ひょっとしたらこの「何度も雪の中に埋めた死体の話」は、その話の存在そのものがひとつのミステリーになっているのかも知れませんね……。

2199.もうひとつのテレビ版「横溝正史シリーズ」 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月14日(木)20時54分03秒

芦辺様。
誰とは言いませんが……って、バレバレじゃないですか!
尤も、この掲示板を訪れる人は皆「これは自分のことに違いないっ!」と思っているのでしょうね。う〜む、アイリッシュの『晩餐後の物語』の手法ですな。

「悪魔の手毬唄」のテレビ版の冒頭には、おかっぱ頭の童女風の女の子が毬をつきながらモノローグ的に歌う場面が毎回挿入されておりまして、私は映画版よりもこちらのほうが好きでした。

このテレビ版に先立つこと六年前、昭和四十六年に日本テレビ系列で放映されていたサスペンスドラマシリーズ「火曜日の女」の一編として、この「悪魔の手毬唄」が『女ともだち』というタイトルで、氾文雀主演の推理ドラマとして放映されていました。実は私はこのドラマを見て「悪魔の手毬唄」の存在を知り、当時角川文庫に入ったばかりの「悪魔の手毬唄」を買い求めた記憶があります。ドラマは現代に設定を変更され、金田一耕助も出て来ませんが、手拭いを被った老婆が次々に若い女性を殺害していく姿が子供心に強烈な印象を残しました。劇中で歌われる子守唄はこんな感じだったと思います。

  一.一人目の娘は 器量よし
    器量よすぎて 殺された

  二.二人目の娘は 頭よし
    頭よすぎて  殺された

  三.三人目の娘は 姿よし
    姿よすぎて  殺された

う〜む、いくらお手軽なテレビドラマとはいえ、何のひねりもありませんな。まだつのだ氏版のほうが独創的だったような……。
ちなみに、この「火曜日の女」シリーズは、「犬神家の一族」を酒井和歌子主演の『蒼いけものたち』として、「三つ首塔」を島田陽子主演の『いとこ同士』として放映していました。もうひとつのテレビ版横溝正史シリーズとして、もっと注目されてもいいのではないでしょうか。

2198.Re:悪魔の手毬唄 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月14日(木)08時55分27秒

>早見さん

 あわわ、あれは早見さんのことではありませんで……(んじゃ、誰のことかというと――みんなの目がキラーン!!)

 「悪魔の手毬唄」は市川崑監督版(音楽は村井邦彦氏)では、かぼそい幻想的な歌曲にしてあってたのに対し、テレビ版はおばあさん役の役者さんがあっけらかーんとした感じで毬をつきながら歌ってちょっとムードに欠けましたが、でも本当のわらべ歌の感じでしたね。

 ところで、今度、池袋の新文芸坐というところで16・23日の両夜、オールナイトで金田一耕助映画をやるそうで、とくに23日には高倉健版の「悪魔の手毬唄」と池部良版の「吸血蛾」をやるそうです。うう、後者の“エラリー・クイーン風金田一”見たいよう。

2197.悪魔の手毬唄 投稿者:早見裕司  投稿日: 6月14日(木)05時37分21秒

>アイナットさん

 いえいえいえ、私はただの薄いおじさんです。

>かんとく

 「異形」デビュー、おめでとうございます。筆の達者さに敬服すると共に、
ベテランの胸を借りているつもりだったのが、いつか追い上げられているよ
うな緊迫感を持ち、これは一応先を走る者としても、負けない傑作をものし
ねば、はじき飛ばされてしまうなあ、と。


 「悪魔の手毬唄」の手毬唄は、元々の歌詞が曲のつけづらい歌詞でして、
「横溝正史シリーズ」版では、歌詞のほうを変えて、手毬唄として成立する
ようにしてあります。音楽担当の真鍋理一郎氏は、硬派な方なので、そうい
うことになったのか、と邪推しておりますが。

http://www.hayami.net


2196.いやそれが 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月14日(木)04時59分45秒

>アイナットさん

 同業者というよりは、“濃い”人が異様に多いんですよ。誰とは言いませんが誰とは言いませんが誰とは言いませんがっ。こないだレターをくれた女子高生の読者さんにもここのURLを書き送っておきましたが、恐れをなして帰られることはうけあいであります。

>かんとく

 いつもの例のブツについてのメールをアレしておきましたのでナニしといてください。

 今日も宵寝してしまって、生活時間帯狂いっぱなし。トリックも夜中の二時前に散歩に連れ出されて大迷惑。

2195.(無題) 投稿者:アイナット  投稿日: 6月14日(木)03時32分17秒

私用などもあり、少々間が空いてしまいましたが、先週、芦辺さんのご教示くださいましたURL二つで今度再チェックしようかと思います。あれは非常に便利だと思いました。

それにしても、ここは、当たり前とも言いますが、作家の方の書き込み率が非常に高いですよね。ちょっと、いや、かなり恐縮していたりします。

2194.まだ頑張ってまーす。 投稿者:かんとく  投稿日: 6月12日(火)23時29分48秒

>田辺様
 お買いあげ及び過分なお褒めの言葉、心より感謝いたします。有り難うございますー。当人はあれでもちと艶っぽく書きすぎたという感覚があるのですが……あれを執筆して以来、時々歯止めが利かなくなっております。
 長篇の方は着実に進んではおります、が如何せん緻密な伏線を要する本格ミステリを目指す以上、細かな叙述の矛盾も許されませんので慎重に書き継ぐ必要があり、気分的には快調ですが実際にはまだまだスローペースです。しかし、未だに期限内の完成を諦めていないのが我ながら往生際が悪い。ともあれ、お互い頑張りましょう。

>芦辺様
 詳細はメールでご連絡しましたが、改めて御報告が遅れたことをお詫びいたします。それにしても、人間粘ってみるものですなー。
 それと、先日申し上げた大阪行きの件で先程メールを送らせていただきましたので、ご確認下さいませ。

2193.突然日記「出た日が命日」2001年6月11日(月) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月11日(月)23時55分49秒

 どうも日記をズルけてしまって……というか突発的に始めただけで、続けるとも何とも決めちゃいないんですが。

 昨日までに『赤死病の館の殺人』ゲラ直しと並行して、同書収録に合わせての短編書き出しの差し換え、著者のことば、あとがきなど執筆。ようやく『人それを情死と呼ぶ』の解説にかかったものの、これがなかなか難渋。鮎川先生の作品を論じようとすれば、それがそのままミステリの現状批判に陥りそうで……うむむ。

 小説講座番頭・芝やんの紹介にて、ライター志望の女性のインタビュー実習の稽古台になりに、立てこもり構想に愛用のファミレスへ。一人かと思ったら二人来られていた。態度もまじめで、質問も素直でよかったが、おれの応答で果たして記事にまとまるのかどうか心配になるのは、記者出身のせいか。そういえば文化部時代、「こんな談話内容で大丈夫ですか」とおっしゃったインタビュー相手の作家はお二人とも記者体験がおありだった。

 それはよかったのだが、女性二人が帰った直後にちょっとムカつく知らせに接し、早々にファミレスをあとにする。講談社ノベルス編集部から回送されてきた高校生の読者の手紙に気を取り直す。そのあとカッパ・ノベルスS氏と『赤死病――』のスケジュールなど。そのあと同書カバー絵のラフ、藤田新策画伯がおれの作品世界をビジュアル化してくださるとは実はすごいことなのだと、ますます気を取り直し、『人それを――』解説イッキに。題して「街角のイリュージョン――鮎川哲也小論」、ものすごいハイテンションというか朗々と歌曲を歌い上げるような文章になりました。結局何枚オーバーしたかを書くと、また二階堂氏にヤユされるので内緒にします。

 さて、そいでもって今はどうしてるかというと、このあとは「痛快!明石家電視台」で村上ショージ師匠の至芸を堪能したあと、「見参!アルチュン」という奇怪な番組を見て腰砕けになるであろう。そのあとは伊集院光の「深夜の馬鹿力」を雑音混じりに聴くでありましょう。にもかかわらず、書き下ろし長編もそれなりにはかどって――といきたいものです。

2192.つのだ氏版『悪魔の手毬唄』の歌詞が読めるのは、芦辺倶楽部掲示板だけ! 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 9日(土)00時42分12秒

 いや、ほんとにどうしたもんでしょうねえ。お疲れさまです>田辺さん

 もっとスゴイのは、この歌詞が鬼首村に伝わる手毬唄をもとにしているという設定でした。あと思い出したのですが、この作品の一コマに酒のラベルだったか、明らかに「おにくび」と読める文字がありまして、すると作中に登場するのは「おにこべ」村ではないわけです。

 これだけ文句を言っていながら、このシリーズでつのだ氏描く金田一像は、美男化計画よりはるか以前の森江春策と相通じる面があったといったら……やっぱりマズイか。

 おお、深川氏の収録作は「ゆびに、からめる」でありましたか。すると僕も自分の慧眼を多少は誇っていいわけですな>かんとく

****
 池田市の事件は、あの小学校と無縁ではないので思うところが多々あります。今はただ亡くなられた方の冥福と、正しい法の執行を期待するのみです。

2191.つのだじろう版『悪魔の手毬唄』はこんな歌詞ですよ〜 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月 8日(金)22時29分02秒

つのだ版『悪魔の手毬唄』で由良泰子、仁礼文子、別所ゆかりの三人による女性ユニット「リリス」によって歌われる『悪魔の手毬唄』は、次の通りです。

 一.街角でフ…と振り返る時
   あなたのうしろに手毬を持った
   白い髪の少女がいたら…
   きっと彼女は あなたの耳に
   こう…語りかける!
  
   『特別な理由はないけど…
    あなたの恋人を殺してやるわ』

   そうよ! 殺してあげる!
   錆びたナイフで目玉をえぐり
   両の手首を切り落とし
   そいつを河へ流すのよ!
   きっとモミジが流れるみたいで
   きれいだわ

   『そいつの苦しみもがく様を
    あなたの哀しみなげく姿を
    ただ わたしは笑いころげて
    見ていたいだけ…』

   だって わたしは
   女悪魔リルー


 二.公園で フ…と振り返る時
   あなたのそばに手毬を持った
   赤い髪の少女がいたら…
   きっと彼女はあなたの耳に
   こうささやくでしょう! 

   『あなたは幸福そうだから…
    呪いの人形を抱かせてあげる』

   そうよ! 勿論殺すのよ!
   キラキラ光る銀の釘を
   頭のてっぺんから足の先まで
   身体中に打ちこんでやるわ
   金のカナヅチで!  
   きっとハリネズミのようで
   可愛いわ!

   『人形の釘は魔女の呪い
    あなたが痛みに気の狂うまで
    ただ わたしは煙草ふかして
    見ているだけ』

   だって わたしは
   女悪魔リリツ

 
 三.夜更けに フ…と振り返る時
   あなたの部屋に 手毬を持った
   青い髪の少女がいたら…
   きっと彼女は 不気味に笑い
   こう…つぶやくでしょう! 

   『どうぞおびえてお逃げなさい
    フ・フ・フ・フ・フ 部屋のすみまで』

   そうよ! 助けてあげないわ
   あなたの脳天をただの一撃!
   ザクロのようにくだいてやるの
   お望みの凶器はなあに?
   凍らせた太い骨付きの
   腿肉でいかが…
   それも勿論 人間の!

   『せめてあなたの供養のために
    わたしの手毬をささげましょう
    ただ わたしは 静かに笑って
    去っていくだけ』

   だってわたしは
   女悪魔アルダット・リリ


う〜む、私にはもはや言うべき言葉が……。芦辺さん、評価のほどをよろしくお願いいたします。

かんとく様。
光文社文庫の『異形コレクション 夢魔』に所有された『ゆびに・からめる』を拝見致しました。書きかたによっては煽情的になってしまう題材を、硬質な文章でみごとに処理された手腕はさすがですね。ミステリーのみならずホラーにおいても並々ならぬ力量をお持ちであることが判りました。
長編の進み具合はいかがですか? 今回の作品は私立探偵・春川ものになるのでしょうか? ともあれ、完成を心待ちにしています。

それにしても、大阪の池田小学校で起きた児童刺殺事件には本当に驚きました。8人の小学生の尊い生命が失われるとは……。犠牲になった小学生の無念とその御家族の哀しみは察するに余りあります。心より犠牲となった方々の御冥福をお祈りいたします。

2190.Re:つのだじろう 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 8日(金)16時29分34秒

>二階堂さん

 あれが再刊されるとは……今の読者への受け取られた方が興味深いところです。『悪魔の手毬唄』の三人娘の設定は、コミカライズ三部作の中でもひときわブッ飛んでます(悪魔アルダット・リリとか初めて知ったぞ。しかもいまだに覚えてる)。つのだ氏版金田一の困るところは、そういう点ではなくて、関係者一同を集めて事件の解説をする中で、ほかの村民もいるというのに他人の家庭の秘密とかを得々としてバクロするデリカシーのなさですな。

2189.つのだじろう 投稿者:二階堂黎人  投稿日: 6月 8日(金)11時47分39秒

つのだじろうさんの、横溝ものは、今度、講談社漫画文庫から出ます。有栖川有栖さんや僕が解説を書くことになりそうです。僕の担当はたぶん『悪魔の手鞠詩4』

2188.突然日記「出た日が命日」2001年6月6日(水) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 7日(木)02時48分45秒

 某誌の仕事、ぶっ通しでやって午後2時ごろまででアップ。そのあと寝て晩方目覚め、ずっと放ってあった読者からの手紙に返事書いたりし、トリックの夜散歩のあとメシを兼ねてファミレス立てこもり。『人それを情死と呼ぶ』解説エッセイのため角川文庫版と、原型中篇を収めた出版芸術社『碑文谷事件』を持参するも、同時に持ち込んだ『チャーリー・チャンの追跡』(別題・カーテンの彼方)再読が止まらない。いや、これが面白いんですよ。

 同じ創元版のチャン警部シリーズでは、世界一周観光団というド派手な設定のためか『チャーリー・チャンの活躍』の方が印象に残っていましたが、展開の面白さと登場人物の楽しさではこちらも上乗。チャン探偵は、嫌味傲慢型キャラ立ち探偵ファイロ・ヴァンスの陰に隠れて、当初はあまり目立たなかったというあたりもひとごとではございません。とにかく乾信一郎氏の訳が素晴らしい。こんな軽妙な会話と地の文で複雑なストーリーをさばいてみたいもの。

 ところで、なぜ急にチャーリー・チャンかというと、こないだ映画ビデオを入手したこともありますが、これからかかる長篇のためにまさに30年代の探偵ものの雰囲気を久々に味わっておきたかったためです。つまり、ビデオを海外から取り寄せたりしたのも、そもそもはこのためだったのですね。何て仕事熱心な私でありましょうか。というわけでH書房のIさん、遅々たる歩みを諒とせられよ……って、これじゃ日記になりませんね。

2187.劇画化された金田一耕助 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月 6日(水)22時38分22秒

芦辺様。

成程。乱歩の口絵ページは「少年キング」ではなく「少年マガジン」でしたか。
どうも乱歩作品の劇画化のイメージが強く、「少年キング」だとばかり思っていました。う〜む、どうりでいくら古書店で「少年キング」のバックナンバーを捜しても見つからなかった訳だ……。
明日、早速神田の古書店に行って捜してみることにしましょう。

つのだじろう氏の横溝シリーズ三部作は、どういう訳か全巻所有しております。
確かに仰言るように、ちと困った仕上がりですが、あの当時の横溝ブームの過熱ぶりを物語る一証左として、笑いながら読むのが正解なのではないでしょうか。
お話しにあった里村典子ですが、つのだ版『八つ墓村』には登場していなかったのでは……? 鍾乳洞内の石筍に胸を刺されて死んだのは、辰也の姉の多治見春代ではなかったでしたっけ……?

横溝ミステリーの劇画化で一番成功しているのは、JET氏による一連の作品でしょう。金田一耕助も原作通りのいでたちですし、原作をほぼ忠実に劇画化しています。現在朝日ソノラマより『獄門島』『八つ墓村』『悪魔の手毬唄』『本陣殺人事件』『犬神家の一族』『眠れる花嫁』が刊行されておりますので、興味のある方は御一読のほどを……。

『蝿男の恐怖』についても書き込みがありましたが、私はこれは50年代SFホラー映画の大傑作だと思います。大型プレス機に挟まれた科学者の死体の発見に始まり、その妻の話からだんだん事件の全貌が明らかになっていく……。ミステリーの手法を駆使した作画法は、低予算をカバーするためのやむを得ない選択だったのでしょうが、絶叫するヒロインの姿を蝿男の視線で見ると、複眼のため何重にも重なって見えるなど、独創的なアイデアが光っていました。リメイクされた『ザ・フライ』より、こちらの方がずっと洗練されていると思いますが……。
この時代のホラー映画というのは、俳優の演技やストーリー展開で恐怖を盛り上げていたのに対し、昨今のスプラッター映画は刺激的なシーンを直接見せることに終始しているのが残念です。う〜む、かつてのムードたっぷりのホラー映画はもう作ることができないのでしょうか……。

あ、『蝿男の恐怖』にも出演したヴィンセント・プライスが、アンリ・バンコランのイメージにぴったりだと思うのは私だけでしょうか? プライスのバンコラン、ボリス・カーロフのフォン・アルンハイム男爵で『髑髏城』を映画化したら素晴らしいでしょうねえ……。

2186.そうなんです 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 6日(水)20時52分53秒

>早見さん

 確か、これ誰かが指摘してたような気もするんですが、映像化の場合、これまで里村典子がほぼ毎回黙殺される傾向にあるようです。辰弥と美也子のカップルを際立たせるためかな? 内容がちとアレなので処分してしまったつのだじろう氏によるコミカライズでは殺されてしまってたような記憶もあります。鍾乳洞内の石筍に胸を突き刺されて。

 余談ながら、つのだ氏の漫画版は『犬神家の一族』の映画化に合わせ、『八つ墓村』と『悪魔の手毬歌』ともに書き下ろされたものですが、金田一が洋服に丸眼鏡でイメージが違うとかいうのは翻案みたいなものなんだから別にいいんですが、横溝シリーズをオカルト物と解してたらしい版元が、それならと安直につのだ氏に依頼した気配濃厚で(当時、角川提供のFM番組「気まぐれ飛行船」で氏が「つらい、もうやめたい」とおっしゃってましたから、よほど資質に合わなかったのでしょう)、ミステリファンからするとちと困った仕上がりになっていました。それやこれやで今は手元にありません。いま思うともったいない気もしますが……。

 あと、漫画版ではそうでもないようですが、テレビ・映画では財宝発見も省略されますね。なぜだろう。お伽噺になってしまうのを恐れるせいでしょうか。

 金田一耕助が傍観者であり脇役であるというのは、横溝氏ご本人がおっしゃっていることで、だから毎回別にヒーローやヒロインがおり、ロマンスがある。でも、『獄門島』のように彼自身が主体になって謎に分け入るというのも捨て難いので、それを今度はやってみたいのです。

 そのあたり、千恵蔵や右太衛門らオールスターの映画を手がける際、見せ場やセリフ、クローズアップの数まで各俳優にぴたりと割り振る職人技で知られ、東映京都撮影所のヌシ的存在だった脚本家・比佐芳武氏は「八つ墓村」の脚色にどんな必殺技を使ったか? その故智にならって森江春策ないし新島ともかに怪奇事件の渦中に飛び込んでもらおうというのです。

2185.そういえば 投稿者:早見裕司  投稿日: 6月 6日(水)13時04分56秒

>芦辺さん

確かに「八つ墓村」の原作では、金田一耕助は傍観者に過ぎませんね。渥美
清版ではそこを忠実にし過ぎたため、渥美清はほとんど登場しませんね。
そう言えば、渥美清版も、豊川悦司版でも、里村典子は出番がほとんどなく
(渥美版ではそもそも存在しない)、実は『本陣殺人事件』から『車井戸は
なぜ軋る』などに続く、横溝正史の、「イノセントな少女」という要素が、
消えてしまっているのです。この面への着目は、あまりされていない気が致
します。
脱線ついでに、小林信彦氏の「渥美清 おかしな男」によれば、「八つ墓村」
が、「犬神家の一族」の後に公開されたのは、主に脚本の遅れによるものの
ようです。

http://www.hayami.net


2184.Re:【時計塔の秘密】修正 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 6日(水)03時07分33秒

>アイナットさん

 さっそくお目にとめていただいて恐縮です。少年物の章題なんですが、下記のページで(全作ではないようですが)入力している人がいるのを見つけました。

http://ekisai.tripod.co.jp/index.html

http://www.d1.dion.ne.jp/~sugaree_/book/tantei/index.html#LI


2183.【時計塔の秘密】修正 投稿者:アイナット  投稿日: 6月 6日(水)02時33分11秒

『怪人対名探偵』ですが、「時計塔の秘密」、ホントですね。『塔上の奇術師』にあったんですね!私も特に少年物は「江戸川乱歩執筆年譜」で探したのですが、(青年物の大半は自サイトの「角川版」章題より探してました)多分どうやら見逃してしまっていたらしいです。この調子ですと、少年物の章題で洩れている物もまだあるやもしれません(汗)。とりあえずこの点など加筆修正しておきました。ありがとうございました。

2182.突然日記「出た日が命日」2001年6月5日 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 6日(水)01時08分47秒

 書き下ろし長編にかかりたいのだが、某誌原稿がやはりスッパーンと三日で書くというわけにもいかず、睡眠時間帯など狂い始めたので、夕刻映画ビデオなど見る。

 先日の“Ellery Queen and the Perfect Crime”(『エラリー・クイーンの事件簿』所収の「完全犯罪」がこの映画のノベライズではなかった点についてはまたいずれ)に続いて、今日は“Charlie Chan at the Opera”を。ウォーナー・オーランドがチャーリー・チャン、劇場を彷徨する怪紳士にボリス・カーロフという豪華キャストで、実際あちらではチャン警部シリーズの最高傑作とされているらしく、日本でも「闇の狂人」の邦題で公開されています。

 そしたら、これが実に面白かった。まるっきり「オペラの怪人」をもじった展開といい、オーケストラの演奏(オスカー・レヴァントの「カーニバル」だそうです)をBGMにして舞台裏で展開される人物の動き、舞台の進行と並行してのドラマ展開。実にいい味出してるというか、悠揚迫らないチャン氏と、上司の命令で彼と組まされた市警の部長刑事のイライラぶりの対比がお決まりのパターンながら面白い。こないだ見た“Ellery---”のヴェリー部長ほどアホキャラには描かれてませんでしたが。

 あとチャン氏の息子がエキストラにまじって活躍したり、当時最新の技術だった写真電送が細かく描写されたりとサービス満点で、なるほどこれは当時人気が出たわけですね。ただ悔しいのは、大詰めのシーンで凶器のナイフをめぐって、チャン氏が鮮やかな推理を展開してるらしいのですが、こちとらには聞き取れなかった点。情けなや。いやー、それにしても探偵ものはいいなあ。銀行で海外送金小切手が組みあがり次第、また別のを注文しようっと。つくづくとこういう世界が好きなのだと自覚した黄昏どきでした。

******

 ついでながら、田辺さんがおっしゃる乱歩の口絵ページとは、1969年(昭和44年)の「少年マガジン」に載った大伴昌司氏企画・構成の「江戸川乱歩の妖異パノラマ館」のことですね。

2181.仕事が増えてます。 投稿者:かんとく  投稿日: 6月 6日(水)00時43分39秒

 なんか、じわじわと。微妙に違う路線から。きっかけは似たようなところなのですがこうも違う結果が出ると笑えます。全て心からやりたいと思った仕事ばかりなので、気分的にはただただ楽しいばかりなのですが。九月頃に、恐らく皆さんの思いもかけないところで名前が出るかと思いますが、魔が差しましたら手に取っていただけると幸いです……とここで宣伝するのはちょっと憚られますが。なお、以前ここで宣伝いたしました『異形コレクション 夢魔』は今日店頭で確認できました。ので、明日か明後日頃にはお近くの書店でも発見できるかと思いますので、気が向かれましたらお手にとって下さいませ。店頭で自分の名前が表紙に出ているのを確認したときは流石に冷や汗が出ました……訳あってその場では買いませんでしたが。

 ……何にしても翻弄されるなら美少女です。いま私が書いているものは男性一人称で出てくるおなごはあまりにも現代っ娘すぎて些かフラストレーションが溜まります。結局反動である登場人物は正統派になりすぎて却ってあざとくなる気配も……とぼやいていても仕方ないので執筆に戻りまーす。忙しいと言ってもテンションが一定しているので結構書き込みには出てきてしまいそうでーす。

2180.ご意見に感謝 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 6日(水)00時27分28秒

>早見さん

 やや、これはどうもご回答ありがとうございました。なるほど、おっしゃる通りですね。思えば、『八つ墓村』の主人公・辰弥が印象深いのは“過酷な試練にさらされる流浪の王子様”といった古典的な物語パターンを踏んでいるせいかもしれません。

>有坂さん

 いや、そんなMan扱いだなんて、失礼なことはいたしません(←男性視点だとこうなる)。やはり怪奇冒険の主人公は女性の方がよさそうですね。

>田辺さん

 そうか、「恐怖の蝋人形」でしたか。怪奇映画のタイトルは、西部劇とロマンス映画と同じく似たようなタイトルぞろいですからね。西部劇なら「荒野の××」だの「××の決闘」、ロマンス物ならやたら漢字2文字のものが多いし……私ゃ「ハエ男の恐怖」と「恐怖のハエ男」の区別がいまだにつきません。

 あ、ちょっと注記し忘れましたが、『三つ首塔』をたとえに出したのは“若い女性が怪奇な冒険や危険に次々遭遇する”ということで、原作のエロティック過剰な展開よりむしろ映画版(音禰=中原ひとみ)、テレビ版(同・真野響子)のノリです。

 映画で思い出しましたが、片岡千恵蔵版の「八つ墓村」(未見)では、原作どおりだと傍観者に過ぎない金田一耕助を冒険とドラマの主体に据えるために、実に絶妙の脚色をしているそうです。そこから次々々作あたりの発想を得、そこからお尋ねした次第なのでした

 

2179.ミステリー&ホラーには美女&美少女が定番でしょう 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月 5日(火)22時08分05秒

芦辺様。

掲示板の流れを全く読まない発作的思いつきの書き込みに対し、丁寧なRESをいただき有り難うございます。
芦辺さんがテレビで御覧になったのは、ハイ・アバーバック監督、パトリック・オニール主演の66年製作のワーナー・ブラザース映画『恐怖の蝋人形』のほうではないかと思われます。ただ、主人公の殺人鬼の姿が蝋人形になって展示されるのはラストではなく、手錠をかけられたまま水中に消えた彼が世間からは死んだと思われて、事件の忘れ形見として蝋人形として展示されるというストーリーでした。その後、実は生き延びていた殺人鬼がその蝋人形館を舞台に復讐に乗り出す……という筋なのですね。
まあ、蝋人形館というのはB級ホラー映画の定番ですので、このような類似品があるのも当然なのかも知れません。

そう言えば、『怪人対名探偵』の「殺人映画」の章で、AIP映画の『金星人地球を征服』のタイトルが……。わかってますね、芦辺さん。

連続怪奇殺人の中で運命に翻弄されると言えば、美女&美少女に限ります。男の翻弄される姿なんぞ見たくもない! (あ、十八歳以下の美少年はこの限りではありません。念のため……)
しかし、『三つ首塔』の音禰は、いくら惚れた男のためとはいえ、あまりにも簡単に苦界に身を沈めすぎますな。あれではいたぶり甲斐がありません。やはりここは『女王蜂』の大道寺智子のような深窓の令嬢を、これでもかというような苦境に落としてもらいたいものです。特に智子があの脂ぎった九十九龍馬に乱暴されそうになるシーンは……(またこの掲示板を危ない方向に持っていこうとしているな、こやつ!)

そう言えば、昭和45年度の「少年キング」誌上で、乱歩作品が立て続けに劇画化されました。(横山光輝氏が『白髪鬼』を、桑田次郎氏が『地獄風景』を、古賀慎一氏が『屋根裏の散歩者』をそれぞれ劇画化) これは例の東京12チャンネルの『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』の放映とタイアップして行われたものですが、その一環として、口絵のページで乱歩作品のハイライト・シーンが特集された事がありました。
『魔術師』の時計塔の針による断頭台、『鬼』の貨物列車による藁人形と死体の移動、『大暗室』の地下帝国など、乱歩の世界が見事に視覚化されていました。この口絵の特集は後に小栗虫太郎の『人外魔境』シリーズも特集していましたっけ……。

2178.うむむ 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 6月 5日(火)21時35分34秒

>アイナットさん
やはりそれが無難なんでしょうね<HTMLを避ける
Javaといい奥が深い…のめり込んだら出られなさそう(苦笑)。

>芦辺先生
「ますます女性の皆さんの寄り付きがたいページ」
と、いうことはオイラはManとしてカウントされているんですね(ニヤソv!!)
くぁ〜っ、エログロナンセンス超!!!楽しみでっす♪。
あと、私は女のほうがいいですvv。(え?なんか違う??)

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2177.「八つ墓村」と「三つ首塔」 投稿者:早見裕司  投稿日: 6月 5日(火)17時27分35秒

>芦辺さん

うむむ、難しいご質問です。
話のただれ具合いから言うと「三つ首塔」ですが、「八つ墓村」は里村典子
がいいので……って、女の子しか見とらんのかいっ!
どっちにしても、頭の弱そうな女の子の登場を、強く希望します。
(開き直り)

http://www.hayami.net


2176.【時計塔の秘密】の秘密の蛇足 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 5日(火)06時12分00秒

>アイナットさん

 再度、そちらの表を拝見、「時計塔の秘密」と並んで悩まれた「拷問窟」は確か創元推理文庫版の『大暗室』にあったはずだと、念のため角川文庫版を調べてみたら……何とこちらでは「地獄図絵」の次が「大陰謀」となっていて、確かに「拷問窟」の章はありません(切れ目は261頁3行目と4行目の間)。これはたぶん創元版が初出時の連載の切れ目を忠実に再現しようとしたためでしょう。さーて、これはどうしたもんか……まあ、許してやってください。

 ところで、とーとつに質問。横溝作品で『八つ墓村』では男性主人公が、『三つ首塔』では女性主人公が連続怪奇殺人の中で翻弄されましたが、みなさんはどちらがお好みでしょうか(←あっ、また何かマーケットリサーチを……)。

2175.【時計塔の秘密】の秘密 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 5日(火)05時39分00秒

>アイナットさん

 お、おみごとです。この作品の各章タイトルは書きながら一覧表を作っていたので、誰かに訊かれたら発表しようかなと思っていたら、別にご要望もないのでそのままになっていました。おん自らそこまで調べていただけたとは!

 実は章題のセレクトに当たっては、中相作さん編纂の『江戸川乱歩執筆年譜』(名張市立図書館)を参照して候補を選定し、極力現行本で当たり直していったのですが……(実は「プロローグ」と「エピローグ」は例外のつもりでしたが。そうか『十字路』にはありましたよね!)。たとえば『蜘蛛男』の「異国風の怪人」は初出では「異国風の怪人物」だったようですし、『妖怪博士』の「二人探偵」は本当は現行の「ふたり探偵」にしなくてはいけないところです。

 ところが、『幽霊塔』の「時計塔の秘密」については確認を怠ってたらしい。というより、完全な勘違いです。現行本はもとより『執筆年譜』を見ても、こんな章題はないことに今気づいたからです。乱歩の少年向けリライト作品のタイトルは、たいがい大人物の章題から採っていることも勘違いしたらしい。うーむ、これは恥ずかしい。文庫化の折(エラい先の話やな)には直さねば……。

 と思ったら、あったー! 『塔上の奇術師』の後ろから五番目の章に「時計塔の秘密」(初出・「とけい塔のひみつ」)が! よかったよかった、たぶんここから採ったのでしょう(本人も忘れてる)。だもんで、貴ページの記述はそういうことにしてください。

>田辺さん

 RES遅れて申し訳ない。というのも「肉の蝋人形」についてはアイマイなところがありまして、自分がテレビで見たのが果たしてそうだったのか確信が持てなかったためです。えーっと、殺人鬼が護送中、刑事がそばを離れる間、列車のデッキにあるたぶん連結器かブレーキ関係の大きな金具に手錠をくくりつけられたのを幸い、そいつをもぎ取って川だか海に飛び込む。ところがその重さでおぼれそうになって、自分の手首を切り落として九死に一生を得る。その後、怪しい中国人から特別あつらえの装具を買い(このあたりの表現、慎重にしてくださいよ>田辺さん)、復讐に乗り出すが、最後は討ち取られて、その姿が蝋人形になって展示される――という場面はありましたっけ?

 あれ、これだとラストの蝋人形館が燃え上がるシーンとつながらないな(「肉の蝋人形」にそういうシーンがあったことは確かです)。だいたい、この映画の殺人鬼役はどうもヴィンセント・プライスとは違うようなのです。あと、やっぱり蝋人形館が舞台で、怪人(精巧なマスクをはがしてみると『オペラの怪人』のエリックみたいなスゴイ顔)が美女を捕らえてタンクに横たえ、そこから四方八方から色とりどりの溶けた蝋を流し込むというクライマックスのある映画も放映されました。もう何が何だか……。

 ああ、ますます女性の皆さんの寄り付きがたいページになってしまった。えーい、こうなりゃ次の講談社ないしカッパのノベルス長編はハマーフィルム風エログロナンセンス超大作だ!

2174.【時計塔の秘密】 投稿者:アイナット  投稿日: 6月 5日(火)01時30分42秒

またおじゃましております。
書き込み失敗の件のお言葉ありがとうございます。
今後も懲りずに、でも普通に書き込みたいと思います。

ところで「ニトロベンゼン」の頃は、この計画があったんですね。これは「保瀬警部」の復権、気まぐれ次第では期待できそう?なのでしょうか?? そう言えば、『探偵宣言』読んだ後に、「毒入りチョコレート事件」を読み、それで再読、「モダンシティ」「保瀬警部」後でも確認的再読。一番再読した作品になっております。

ところで話は『怪人対名探偵』に移るのですが、ようやく(汗)私のサイトの関連書籍コーナーに情報をアップしました。http://inat.cool.ne.jp/rampo/kanren/kaijivsmeitantei.htm
それで章題についても調べてみたのですが、「【時計塔の秘密】だけが見つかりませんでした。(【拷問窟】も苦戦しましたが。)これだけは、幽霊塔の異題と考えてよろしいのでしょうか?いえ、少々気になっただけなのですが。

>有坂はやせさん
挨拶遅れて、申し訳ございません。初めまして。私は何故か</a>(の半角)で閉じたのにリンクされず、焦ったわけでした。やはり掲示板などでHTMLを使うのは控えておこうと思います。

2173.『跡部さん』とは 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 4日(月)23時36分00秒

 天保7〜10年の大坂東町奉行、跡部山城守良弼のことならむ。この人は“曇斎先生事件帳”のシリーズ終幕のあたりに、例の人物とのかかわりで出てきそうですね。

 おっといけない、「殺しはエレキテル」に続く捕物帳第2話、今月末までに書くのだった。

2172.『跡部さん』って誰じゃ〜! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月 4日(月)22時48分35秒

『芦辺さん』の間違いです。誠に申し訳のないことを……。

2171.『肉の蝋人形』その他 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 6月 4日(月)22時45分51秒

誰も突っ込んでくれないので、掲示板の流れを無視して自分で書き込みを……。

第二次大戦後普及し始めたテレビの勢力に台頭するために、50年代のハリウッド映画界は3D(立体)映画というギミックを仕掛けました。その3D映画の傑作とされているのが、この『肉の蝋人形』です。
共同経営者との意見の対立から館もろとも焼き殺されかけた蝋人形館の経営者(ヴィンセント・プライス)が、そのショックから精神に異常をきたし、次々に殺人を犯しては死体を蝋人形にして展示していくというホラー映画ですが、いかにも古き良き時代の雰囲気がよく出ています。必ずや跡部さんのツボにはまるのではないかと……。
あ、有名になる前のチャールズ・ブロンソンが、この映画に本名のチャールズ・ブチンスキー(?)で出演していました。これは小さな発見!

私のフィルモグラフィーにはこの他にも、AIP映画の『プルトニウム人間の逆襲』や有名な金星ガ二の登場する『金星人地球を征服』、頭でっかちの火星人が登場する『アタック・オブ・ザ・マーズ』の原型である『暗闇の悪魔 大頭人の襲来』などがあります。う〜む、この辺の趣味は井上雅彦氏に近いものがあるかも……。

あ、最近輸入ビデオでイギリスの60年代のお洒落なスバイ・コメディー『アベンジャーズ』を購入! 最近ユサ・サーマン主演で映画化されましたが、やはりオリジナルのほうが面白いですね。ボンド・ガール出身のダイアナ・リグ演じるエマ・ピールの可憐なこと……。ほのか嬢もこんな感じでありましょうか?

2170.一体どうなっているのやら。 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 6月 3日(日)22時17分42秒

>アイナットさん
初めまして!
このメーカー(といっていいのかしら?)の掲示板使っている方結構見かけるし、友人も使っているので友人のところで3〜4回ほど練習させていただいたんですが、画像を入れるのはできないみたいです。あぁ、彼女の掲示板にいやぁ〜んな画像を入れる日はいつのことやら(やめろ)。
でも文字のタグはできるんですね!では早速…
バックしまーす
↑なんかこれも失敗しそう…友人のところで時刻表示は失敗してたし。
これも見事に失敗していたら本当にすみません!!!>芦辺先生

>投稿しても良いものやら
うっ、目に痛いお言葉です(^^;←ブラックリスト上位

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2169.『森江春策対保瀬警部』 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 3日(日)01時28分24秒

>アイナットさん

 いえなに、うまくいっているではありませんか。とかくこういう投稿は一発勝負。ミスはご愛嬌というものです。僕も自分で削除とか訂正できないよその掲示板では「ありゃりゃりゃ」てなことがしょっちゅうです。プレビューができればいいのですが、それをやるとまたキリのない場合もありますし。

「森江春策対保瀬警部」……なぜ見抜かれた。『探偵宣言』所収の保瀬七郎ゲスト出演の巻では、まだそんなことも考えていたような気がします。あ、また思い出した。これもいつか書きたかった長編少年探偵都市ファンタジーに「シュン」と「ナナオ」(=七郎?)という12歳の二人が登場する予定でした。もっとも後者の名前は『地底獣国の殺人』の人見七雄記者で使っちまったからなあ(“折竹十三”と同じく人見十吉と折竹孫七をもじった名前を作らにゃならん関係で)。

2168.(無題) 投稿者:アイナット  投稿日: 6月 3日(日)00時50分43秒

マズい、なぜかしたのに失敗しています。って、こんな高尚な所で実験するのも(汗)なのに、失敗とは、まさに恥以下です。
しかしこんな釈明書き込みで掲示板を汚してしまうとは、反省しなければ・・・です。こんなものを投稿して良いものやら。

2167.保瀬警部とHTML 投稿者:アイナット  投稿日: 6月 3日(日)00時41分22秒

保瀬警部の続編タイトル、恐ろしく興味深いんですが、無理なんですか。残念です。
角川文庫化も困難ですとは・・・・・・、世間は本格活劇に冷たいのですね。
こうなったら、「森江春策対保瀬警部」的なもので、保瀬警部を復権を祈ったり・・・・・・、
って一ファンの滅茶苦茶すぎる夢ですね(汗)

>有坂はやせさん
よく見たら、タグが打てるんですね。ちょっと実験(既に中ですが)してみます。<a href = "http://www.hoops.ne.jp/~ashibe/">《芦辺倶楽部》トップページに戻る。
関係ないですが、それにしても、下の意味不明氏、業種問わず日本のサイトの至るところの掲示板で見かけるのですが。gif画像も意味不明ですし、謎すぎます。

2166.このタイプって… 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 6月 2日(土)19時09分00秒

利用タグ一覧の通り打ちこんでも、なんかうまくいかないんですよね…↓
有坂も友人のところで3回ほどやってみたものの全滅でした。
ということで、タグ詳しい方、この素朴な疑問に対して解答ください〜(><)。←まじ
携帯もJava対応になった時代にありながら、Javaもままならない有坂でした(←これでSunの人にいいように遊ばれている)。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2165.Hi.Man! 投稿者:Guest  投稿日: 6月 2日(土)10時24分11秒

<<<<<<<<itsDog!!>>>>>>>>Have nice day!! Good Luck<img src=http://a676.g.akamai.net/f/676/987/12h/lygo.com/ly/dg/music_dog.gif>

2164.よみがえる保瀬警部(無理) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 6月 1日(金)04時38分30秒

>アイナットさん

 てっきり、『保瀬警部最大の冒険』を読まれたが最後、長年築き上げた信用もたちまち瓦解、見限られてしまうのかと心配していましたが……うーむ、そうでもなかったですか。

 そうか、ひょっとして『保瀬警部』は今、キてるのか(そんなこたぁない)。何か、自分の仕事の系譜の中で恥辱にも似た感情を抱き続けてきてソンした気がします。かといって、この作品を文庫化してくれるとこもなさそうだし……いや、そんなボヤキはともかく、うれしいご感想ありがとうございました。

 続編ねえ……。以前『お伽の国の保瀬警部』(第T部・熱砂の都/第U部 北の王宮)とか『保瀬警部:バビロン秘密指令』とか題名だけは考えたのですが、そんなものが実現するほど甘い世の中ではなかったのだった。

2163.保瀬警部読了の話 投稿者:アイナット  投稿日: 6月 1日(金)03時31分41秒

で、簡単に述べさせて戴くと、読み始めこそ少々絶句状態でしたが、次第にあの爆笑的独特な世界に引き込まれかなり楽しませさせて戴きました。
それは続編が読みたくなる程です。あるいはまさにエンターテイメントの固まりという小説ですから、ハリウッドで映画化されれば、絶対面白いだろう
と思いました。ちなみに電車内で読んでいると、思わずニタニタしてしまいそうになり、堪えるのに苦労してしましましたね。

それと「赤死病の館の殺人」(「の館」シリーズ、でしょうか?)、私も楽しみにさせて頂きます。そもそもタイトルからして惹きつけて止みませんし。

>かんとくさん
そうですね。私も「白樺荘事件」と相見える日を楽しみに待ちたいと思います。

2162.RESの嵐 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月31日(木)23時47分34秒

>エイロクさん

 お久しぶりです。「赤死病」なんですが、大横溝の『犬神家の一族』に犬神つきだの祟りが出てこないように、こちらも同じです。ご安心あれ。そういえば『犬神家』が書かれたとき、大乱歩が「横溝君、ぼく犬神だの蛇神だの大嫌いだ」と言って大変おかんむりで、横溝氏が「いや、乱歩さん、そういうのと違うねん」と言ってもなかなか納得してくれなかった由。怪奇や残酷、グロは描いても無知や迷信、偏見に基づくものは断固排除する――いわば探偵小説家としての美意識、矜持、好きですなあ。

>田辺さん

 それでわかりました。しかし、その書評は当時の一つの典型例として突き止めておく必要がありますね。ご記憶や手がかりでもあったらご教示ください。「本格だから何もかもダメだ」みたいな言いがかりは珍しくもなかったし、非難の対象を変えていまだに続いていると思いますね。たとえば、アマチュア名探偵を「リアリティがない、時代遅れ」の一言で切って捨てる割に、いわゆる社会派の「うどんすすり」刑事がおよそ超自然的な神のごとき推理をしてるおかしさに気づかなかったりとか……。このあたり、本格暗黒時代に出た文庫の解説とかを今読むと面白いですよ。ひとしきりトリックだの名探偵だのへの全否定を繰り広げてから、論に入るのが通例ですから。

>かんとく

「色々ありますが」――大阪弁で言うところの「気にしィ」の小生としては異様に気になりますね。私が何かお気に召さないことでも!? おせーて。それはともかく、執筆三昧のごようす。実に結構なことです。小説家と申すものは「止まったら死ぬんじゃー」が合言葉。以前の本作りの件とか、何ぞまたありましたらご連絡あれ。

***********

 脱稿後、折よく届いたアメリカからの小包。よほっ、ラルフ・ベラミーのエラリー・クイーンだ。ウォーナー・オーランドのチャーリー・チャンだ。ルネ・クレール版の「そして誰もいなくなった」だ。これで誰か同時通訳してくれる人がいればいいんですが(当然、字幕とかついてないので)。こういったネタでエッセイか何か書けないか某編集氏と相談。さあ、次は何を注文しようかなっと。 

2161.再び…かんとく様 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月31日(木)23時19分50秒

>それをどーするかは一切合切白紙です。困ったもんだ。
…うちのスペースで販売…するわけにもいかないでしょうねぇ(汗)。ジャンルがジャンルですし(爆)。有坂的には問題ないのですが。

>ロリータの福音
2人のうちどちらか?といわれたら樹里ちゃんかも(本命はともかちゃんですよ、もちろん)。
なんだか面白そうです!ていうか、ロリ心を刺激されてしまいますv<ロリータの福音
有坂もロリでナオン好きですから(滅殺)。
でも、2年前までは実はノーマルジャンルで1作品で5年強書いていたので、美青年性倒錯はここ2年ほどの初心者(爆)だったりします。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2160.あいやぁ〜 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月31日(木)23時09分22秒

>かんとく様
そうでしたか。今度こそお会いできるかと思っていただけに、非常に残念です。
ここでお尋ねしていいことか多少ためらいはあるものの…本はどちらで販売されるのでしょうか?
差し支えなければ教えていただけないでしょうか。時間と体力があれば(汗)、買いに行きたいです。
私は8/11の2日目・東4ホールに場所を取っています(少年ジャンプ系です)。
同人関係の友人がほぼ皆無なので、当日お手伝いがいないかもしれないこの恐怖…(涙)。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2159.もろもろもろもろ 投稿者:かんとく  投稿日: 5月31日(木)22時59分51秒

 目下執筆を急がねばならないはずなのに俄に眠気促進中で、半端にだらだらしていると即沈没してしまいそうです。ですので気合いを入れてだらだら……違う。
 何にしても、色々と反応したい話題はありますが短めで失礼いたしますです。

>有坂様
 えー、私は無念ながら落ちましたコミケ。取り敢えず本だけは作るつもりですが(既にいくつか原稿をお預かりしてますし)、それをどーするかは一切合切白紙です。困ったもんだ。
 なお、今の長篇はじめ懸案がきっちり片付き、更に余力があればミステリ作品のパロディを含む漫画数点を仕上げてみよーと考えております。当然森江シリーズにも言及予定。くふ。まだ西澤保彦氏のチョーモンインのパロディしかネーム用意してませんけど(してあるのかい)。

>田辺様
 仰言るとおり、某企画です。長篇のアイディアストックは他にあるのに、新たにゼロからプロット・トリックを立ち上げて書こうなどと考えてしまったが為に今まで着手が遅れていたのでした。お互い頑張りましょう、全く。
『偽りの墳墓』は……おかしい、ちゃんと読んでいるはずなのに記憶にない。というわけで、復刻されましたらきちんと読み直します。他の作品も。

>アイナット様
『白の恐怖』は『白樺荘事件』をひたすら待ちましょう。私はそーして他の古本収集家の皆さんが「入手した」「読んだ」と報告されるのを歯噛みして傍観しております……くやしくなんかないやい。

>有坂様(再)
 私は樹里で……(いいんかい)……どーでもいいですが、私のアイディアストックには『ロリータの福音』という危険なタイトルのが存在したりします。小説ではありませんが。

>みわっち。様、鮎様
 というわけで私も夏には有明の何処かにおります。その際情報交換していただければ幸いですー。

>芦辺様
 色々ありますが、ともあれ『赤死病の館の殺人』脱稿おめでとうございます。

 では、いい加減作業に戻るとします……と言いつつ本を読んだりゲームをやったりしてしまいそうで怖い。

2158.『偽りの墳墓』 その2 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月31日(木)22時20分40秒

『偽りの墳墓』に関する芦辺さんのRESを見落としていましたので、それにお答えして……。

芦辺様。
すみません。私の書き込みが舌足らずだったようです。
『偽りの墳墓』におけるハンセン氏病患者に対する鮎川先生の暖かい眼差しは、まさに仰言る通りで、私自身も非常に感銘を受けました。
ただ、この作品が角川文庫に収録された折に、何かの雑誌に「ハンセン氏病という重大な社会問題を扱いながら、何の問題提起もせず、能天気にアリバイ崩しなどという机上の遊戯に興じている。このへんが本格派と言われる時代遅れの作家の限界であろう」という悪意に満ちた書評が掲載され、その事がずっと頭に残っていたものですから、あのような書き込みになってしまったのです。
う〜む、柄にもなく真面目な書き込みをすると、思わぬところでボロがでますね。やはり私は馬鹿な事ばかり書いて、この掲示板を訪れる皆さんに笑っていただくのが一番いいようです……。

あ、木々高太郎氏の名作『青色驚膜』で、ハンセン氏病が空気感染するような書き方がされていることがずっと気になっているのですが……。大心地先生の医学知識を持ってしても、昭和初期の因習と偏見は打破出来なかったということでしょうか……。

2157.祝、完成! 投稿者:エイロク  投稿日: 5月31日(木)22時07分51秒

 久しぶりの書き込みです。『赤死病の館の殺人』の完成おめでとうございます。僕も先生と同じくホラーが苦手なので、このタイトルは少しこわい感じがします。内容はどうなのでしょうか。楽しみにしております。

2156.祝・脱稿 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月31日(木)22時01分35秒

おめでとうございます〜&お疲れ様でした〜(^^)。<完成・どんどんぱふぱふ
速く読みたいですな〜♪。楽しみvvv。

>芦辺先生
本当にびっくりしました(^^;)。
これは所謂「低速チャット」とでもいうのでしょうか。
だとしたら先生とリアルタイムで言葉を交わせて、有坂掟破りのラッキィ☆ですね!

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2155.おお、懐かしの怪奇映画よ! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月31日(木)20時41分17秒

芦辺様。
やややや、『黒死館の恐怖』とな! な、何と懐かしい……。ハーマン・コーエン製作、アーサー・クラブトリー監督、マイケル・ガフ主演のAIP映画ではありませんか!
マイケル・ガフ演ずる推理作家のバンクロフトが、彼を恐喝した骨董店の老婆を氷ばさみで惨殺するシーンは圧巻でしたね。ホント、いきなりなんだもの。
この作品には、冒頭の双眼鏡のピントを合わせようとした女性が、飛び出した針で目玉を突き刺されるシーン(おお、カーの『黒い塔の恐怖』!)を初めとして、往年のミステリネタが結構使われていました。
芦辺さんの指摘された、死体を劇薬タンクにいれて骨にするシーンは、同じAIP映画の『地獄に続く部屋』でヴィンセント・プライスが模型の骸骨を操り、自分を陥れようとした愛人を硫酸タンクに転落させるシーンと妙にダブって記憶しています。
う〜む、芦辺さんはこういう古典的なホラーがお好きなのですね。な〜んだ、もっと早くこの手の話題をするんでした。そうと知っていれば、あんな『葬儀のあとの寝室』のような悪趣味な話題を持ち出さずにすんだのに……。
私も東京12チャンネルの「怪奇劇場」や「四時の恐怖劇場」を見て育った世代ですので……。井上雅彦氏も確かこの世代でしたね。この手の話題ならいくらでもストックがありますよ。
つきましては、アンドレ・ドトス監督、ヴィンセント・プライス主演の3D映画、『肉の蝋人形』の話題なんていかがでしょう?

2154.Re:祝・完成 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月31日(木)17時14分26秒

>鮎さん

 ありがとうございます。しかし、森江春策の事務所に四人も集まって“捜査会議”をしていると、狭くて金獅子は締め出されることになるのだった……。

「赤死館の恐怖」、よく覚えていてくださった。実はこのタイトル、昔のホラー映画「黒死館の恐怖」をパロったものなのです。これは原題を“Black Museum”と申しまして、猟奇殺人事件で鋭い推理を見せる作家が、それもそのはず自分で殺しまくっていたというナイスな筋立てでした。中でも犯行のたびごとに変てこな凶器を買っていた骨董屋のオバハンに正体を見破られて(当たり前だ)脅されるシーンは傑作でした。そのオバハンもそうと知ったうえで、また別の殺人道具を高値で売りつけたりするなよ。案の定、次の瞬間には首を切られてました。

 スプラッター以後のホラー映画は大っ嫌いな私ですが、こういう古風な、作り物だから安心していられるものは好きです。さる高級な場所で、井上雅彦さんとともに食事をした際、この映画の話で異様に盛り上がったのですが、そんなわれわれに、同席した光文社の人たちは話を合わせつつも、実は内心相当困ってたりして。編集者というのはこういうむつかしい仕事であることを、「ラブストーリー」というドラマは描いているのかどうか、見てないので知りません。

 あ、思い出した。この映画の中で、主人公が自分の正体を見抜いた友人をすぐさま電気にかけて始末したかと思うと、さっさと死体を劇薬タンクに入れて骨にしちゃうシーンがありまして、これもあまりの手際のよさに笑えてくる種類のものでした。どうやら、そこから『怪人対名探偵』のアレが生まれたわけです。

 それより面白いのは、二階堂氏にカー贋作(正しくはディクスン贋作か)の「赤死荘の殺人」があり、有栖川氏の作中探偵・江神二郎が書くことになっている小説に「赤死館殺人事件」があり、当時から似たことを思いつくなあと感じていました。十沼京一が書いた「赤死館の恐怖」ってな、どんな内容だったのでしょう。森江春策は読んだんだろうから知ってるんでしょうけどね。

2153.祝・完成。 投稿者:  投稿日: 5月31日(木)14時56分56秒

お久しぶりです!

>芦辺さま
「赤死病の館の殺人」完成、おめでとうございます。キャラ総出ということは、金獅子も……( ̄ー ̄)フフフ ←謎
以前、「赤死病の館の殺人」の話題が出ていた時に書き込もうと思っていたことなのですが、十沼京一の作品に「赤死館の恐怖」というのがありましたね(『殺13』第五章の終わりの方に記述あり)。

>みわっち。さん
覚悟はできてます(笑)<三羽烏in夏コミ

それでは、また。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/3282/


2152.業務連絡 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月31日(木)09時33分20秒

 ……をしようと思ったら、ややっ>みわっち。さん

『明清』第2巻入手の由、ありがたいやらお手間をかけて申し訳ないやら。しかし何といってもうれしいです。またご感想などよろしく。またM文庫も訊いとかなくっちゃ。

“森江春策本を求めて”――いやー、何だか怖くなってきたのでもういいです(と弱気)。それより日ごろ稀有にしてご奇特な活動をしていただいているお三方にお礼をしなくちゃいかんですね。ちょっと考えますです。南地で芸者をあげてワーてなことを言う……いつの時代や。

 あ、それで業務連絡だ。「赤死病の館の殺人」今朝完成。400字詰め体裁にて218枚なり。併録作品は森江の登場のみなので、書き下ろしのこっちは新島ともか、来崎四郎、滝儀一警部とキャラ総出にしてみました。

2151.お久しぶりです! 投稿者:みわっち。  投稿日: 5月31日(木)08時11分18秒

以前、「ない、ない」と嘆いておりました『明清疾風録2』をこの度ようやく
入手することが出来ました(^^)。
もう学研M文庫になるまで読めないかと半ば諦めていたのですが……(爆)。
これでようやく1〜3まで全て揃えることが出来ました♪
また読了の際にはご報告させていただきますね。

あ、そうそう私は昨年に続いて(歌舞伎町でぼったくられたにもかかわらず、懲りずに)夏のコミケに『森江春策本を求めて』上京致します。しかも今年は一人じゃないっす。この『森江春策本を求めて』は「芦辺拓強化推進本部」と「森江春策読本」との合同企画なので、去年一人寂しく歩きまわったことを考えると3倍楽しく、3倍発見しやすいはずです(ああ、言っちゃった。これでもう後戻りはできませんよ。お二方。覚悟はよろしいですね?)。またその結果もご報告しに来ますね。それではまた。

2150.こちらもびっくり 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月31日(木)00時02分27秒

……しました>有坂さん

 田辺さんへのRESなんですけど、鮎川先生の『偽りの墳墓』を読んだときの感動は、お書きになったのとずいぶん違っていて、ハンセン病が完治すること、偏見や恐怖を抱く愚かさを構えずに、しっかりと説いておられたのが強く印象に残っています。そのせいで、実はあとの婦人服をめぐるアリバイトリックのことを再読のときには忘れかけていたぐらいでした。

 立風版全集の第6巻(『風の証言』『積木の塔』を収録)で解説の大井広介氏が「ハンセン氏病を医学が克服したのをぼくはこの作品で教わった。このあと同じようなシチュエーションを扱った作品が、何賞かを受賞するか次席になったが『偽りの』が先鞭をつけた」とあります。こういった側面は、もっと論じられていいと思います。
 
 作家としてよき作品を、精緻なパズルを組み上げようとする誠実さ、美意識は、人間としてのそれ――ヒューマニズムや正義感と表裏一体なのかもしれない。そのあたり、今度の光文社文庫の解説で触れるかもしれませんので、そのときにでも。

2149.しかもっ… 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月30日(水)23時38分52秒

ちょっと差で先生からレスを先にいただいてしまった!!いやぁ〜ん。
早速オススメいただきました森の住人に会いに行きました。あぁ、私もこんな生活したい臭い…。

>若奥様
今では立派な若奥様(=ともかちゃん)もいることですし、ここはひとつボーナスと一緒にピンクハウスのエプロンをプレゼントすれば完璧です(???)。
私的には名探偵金獅子ですね。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2148.ぎゃっふん 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月30日(水)23時30分31秒

コピーペーストした場所を間違えて変な一文を打ってしまった!!
「落選した私よりも…」→「私よりも一生懸命な落選した人」であります(濁汗)。
あぁ、変な日本語社内1の有坂、ここにあり…(ToT)(あるなっ!!)。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2147.Re:再びマニアック 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月30日(水)23時29分48秒

>有坂はやせさん

 お、恐れ入りましてございます。個人的には「押しかけ若奥様」がいいです(←そら、単なるお前の願望だろうと森江氏のツッコミ)

 こういうときは下記のCMでも見てなごみましょう。「あか〜ん、あか〜ん」の熊や「サービスがダントツー!」の雛鳥、「ほしーーっ」の蛙も見たいなあ。 

http://www.daihatsu.co.jp/showroom/cm/thanksfair/top.htm


2146.再びマニアック 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月30日(水)22時55分22秒

日々プリンタやファックスから吐き出される決算短信の山を見てうんざり、セグメントやキャッシュフローに追い詰められつつ有坂参上です(参上すな)。

>芦辺先生
「同人誌・かつくら対策」というのはこういう感じの発想に対する対策でしょうか?
ともかちゃんが入る前、森江シリーズを同人誌的にどのような萌え方をするかで、友
人と話した結果はこんな感じ↓でした。
・来崎×森江でべたあまラヴラヴ
・味原×森江で鬼畜系
・金獅子×森江で『名探偵金獅子』(内田かずひろ先生風の画面で攻めるのがポイント←死)
・赤沢(or樹里)×森江で押しかけ若奥様風(樹里ちゃんを選択した場合、森江は生涯ロリコンと呼ばれつづけるのであります)
共通事項は「森江は受身」でありました(苦笑)。
あぁ、田辺様のレトロ発言は敵にならない爆弾発言(大汗)。これこそまさに削除でしょうか(汗)。

>夏コミ
またしても配置されている場所にいじめを感じつつ(なんで人だかりのできないと恥じかきそうなすごい所に場所貰えるかな←汗)、落選した私よりも一生懸命な人たちに対して失礼のないよう、何が何でも新刊は作ります。…ただし、もうオフの量を配するだけの力はないので
コピー本ですが…(大汗)。

>田辺様
私も私でまたとんでもない話題を振ってしまったので、お役に立てたのかアヤシイです(^^;)。<軌道修正
個人的ですが、発言の自由ということで私はレトロネタもディープネタもいいと思います。というか、好きなものを好きと言えることが大切なんじゃないかと。私としてはレトロネタ、結構勉強のつもりで読ませていただいていましたし(結局よく理解できなかった己の頭の弱さが恥ずかしいです)。互いに「こういう世界がある」という相互理解ができればいいな、と、日々考えています。
それに、私の発言の方が本日よりブラックリスト第1位獲得はほぼ間違いなし(T_T)。
なんにせよ、生意気なことを言ってしまって済みません(><)!!

そうそう。当ヘボサイトでポスペ自作おやつを作ってみました。よかったら使ってみてください(^^)。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2145.『偽りの墳墓』の時代性について 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月29日(火)23時55分17秒

昨日は誠にとんでもない書き込みをしてしまい、反省することしきりであります。
そのお詫びとして、今日は少しは真面目な話題を少々……。

光文社文庫による鮎川先生の作品の復刊には、当然『偽りの墳墓』も含まれるのでしょうが、この作品がこの時期に復刊するというのは、ある意味で非常にタイムリーな話題であると思います。
と言うと、勘のいい方はもうお分かりでしょうが、『偽りの墳墓』ではハンセン氏病患者の隔離病棟が重要な舞台となっておりまして……。ハンセン氏病患者に対する国の隔離政策が重大な人権侵害にあたるという裁判所の判決が出され、なおかつ小泉総理も国の責任を認め、控訴を断念するという異例の処置が取られた現在、『偽りの墳墓』が復刊するというのも何か因縁めいた感じがいたします。
ハンセン氏病を扱ったミステリーと言いますと、何と言っても松本清張氏の『砂の器』がすぐ思い浮かびますが(小泉総理も映画化された『砂の器』を観て号泣した経験があるとか……)、『偽りの墳墓』ではこの病気はあくまでプロットを支える道具として扱われ、社会派推理小説のように作品全体のテーマとはなっていません。
このような鮎川先生の手法を、非人道的だと言って非難する声もあるようですが、だからと言って鮎川先生が決してこの問題を軽く考えているという事にはならないと思います。たとえ社会派的な要素のある素材でも、ミステリー本来の面白さに徹するためには、あえて主知的に処理する……。本格推理に徹した鮎川先生らしい潔い態度だと私は思うのですが、いかがでしょうか?
どうも心ない一言居士が、正義の仮面に自分の卑しさを隠し、過去の名作を誹謗中傷するのは腹立たしい限りです。もちろんこのような問題を扱うからには細心の注意が必要ですが、過去の社会情勢も考慮せず現在の規範で過去の作品を攻撃するのは片手落ちのような気が……。この分でいくと、国枝史郎氏の『神州纐纈城』などはそのうち発禁になりそうな予感がしています。そんな事にはなってほしくありませんね。

2144.どうも最近『保瀬警部』を入手したという方がチラホラ…… 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月29日(火)04時16分42秒

 まことにもって恐ろしいことでございます。あ、とは言っても、あの作品は私にとってまことに愛着の深い作品で、みじんも恥じるつもりではないのですが、まあ私自身が今よりさらによくわからない存在だったもんですから、読まれた側の「何じゃこりゃ!?」感がいっそう強かったとみえ、完全にこちらの意図とすれ違ってしまったのですね。それを引きずってるもんですから、ひたすら汗・汗・汗となっちゃうわけです。あっあっ、またトラウマが……ヒー。

 というわけなのですよ>アイナットさん

 光文社の鮎川先生作品コレクションには、『戌神』は入るようですよ。あと『準急ながら』も。鬼貫もののうち、現在ハルキ、青樹社、それに双葉社の推協賞全集の各文庫で手に入るものと『黒いトランク』は除くということで。私は『王を探せ』が入ってないようだったので強く推しておきました。とにかくこれを皮切りとし、うまく行けば続刊も期待できます。

2143.まだ全然途中ですが 投稿者:アイナット  投稿日: 5月29日(火)03時17分17秒

「保瀬警部」読書中です。非リアルタイム一般ファン代表(汗)として、読了後に感想書きに来ようと思いますが、なんだか物凄いです。この辺がナイヤガラ汗なのでしょうか(^^;
『大暗室』+『黒蜥蜴』には大期待させて戴きます。単純に想像するだけでも思わずワクワクしてしまいますね。就職活動終了のねぎらいの言葉もありがとうございます。また色々人生頑張らなくてはと思いますね。

それにしても、鮎川哲也先生6作品とは、乱歩ファン的には「戌神は何を見たか」が入るのかも少し気になるところです。本当は未読の「白の恐怖」いや「白樺荘事件」が・・・。

ええっと、それと、ようやく購入の国書「瀬戸内海の惨劇」と一緒に、「死体の冷めないうちに」の文庫も先日入手しましたので、楽しみですね。まだまだ面白い本は無限にありそうです。

http://inat.cool.ne.jp/rampo/


2142.どひーっ! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月29日(火)02時08分18秒

芦辺様。
御免なさいっ! 見捨てないで下さいっ! 別れろ切れろは芸者の時に言う言葉っ!(そうとう錯乱しとるな、こやつ……)
いや〜、既に黒犬黒猫館のほうは出入り差止めの状態でして……。というより、あちらの掲示板は書き込みをされる方の平均年齢がこちらより大幅に低いものですから、レトロネタやディープな話題はしにくいのですよ……。こちらの掲示板では皆さんそれぞれの話題に造詣が深くていらっしゃるので(『快刀乱麻』の放映リストの話題に対応できる人がいるくらいですから……)、ついつい『濃い話題』に走ってしまうのです。
さすがに私の書庫にある悪趣味本も、あれで弾切れ(ホントか?)ですので、今後は健全な話題(?)にいそしみたいと思っております……。
で、その第一弾として、話題になっている鮎川作品の光文社文庫での復刊ですが、『黒いトランク』が見送りとなるということは当然『白の恐怖』『翳ある墓標』『準急ながら』等の復刊も難しいのでしょうね……。『ペトロフ事件』も現在流布している実在の満州鉄道の時刻表ではなく、鮎川先生が自作された時刻表を使った旧版を読みたいと思っているのですが……。無理かなあ……。

有坂はやせ様。
軌道修正ありがとうございます。多謝多謝。

かんとく様。
いや〜、この掲示板をとんでもない方向に持っていきそうになり、申し訳ありません。
『異形コレクション』への作品の採用、おめでとうございます。発売になりましたら早速買わせていただきます。
ところで、一ヶ月で五百枚書かなければならない状況と言いますと、ひょっとして某出版社のノベルズ版の企画の件でしょうか? 実は私もこの企画に名乗りをあげておりまして、現在四百枚ほど書いております。締め切りは一ヶ月後ですが、筆の遅い私は早々と担当さんに泣きつき、締め切りを一ヶ月延長してもらいました。二ヵ月であと三百枚ほど書いて完結の予定なのですが、果たしてどうなることやら……。お互いの健闘を祈りましょう。

2141.よよよよよよよよかった 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月29日(火)00時39分38秒

 有坂はやせさん、かんとく、軌道修正ありがとうございました。

 いやー、一時はこの掲示板もどないなるかと思いまして、しかたがないのでまたクイーン2、3冊持って近くのファミレスでも行って来ようかと思いましたよ(そんな逃避したってどうなるもんでもありませんが)。とりあえず、田辺さんは当分の間、黒犬黒猫館の方で引き取ってもらいます。

>有坂はやせさん

 コミケに出展されるのですか。何かすごい進行になりそうですが、頑張ってください。それにしても、五代ゆうさんが見かけたという拙作を取り上げた同人誌は、やはり幻であったのか。今日、カッパS氏と今度の中篇集のイラストについて打ち合わせましたが、われらの合言葉は「同人誌&かつくら対策」であります(嘘)。かくのごとく現今の日本において重要な位置を占めるコミケでありますからして、ぜひぜひ作品を発表してください。

>かんとく

 おめでとうございます。いつ言うか、今日は発表するかと待っておりました。いやー、よかったよかった。小説執筆で三昧境に入り、ぶっ倒れるまで書きまくるのこそ作家の本懐。やるべし、やるべし。ちなみに今夜は僕がそういうことになりそうです。

 実は『黒いトランク』は諸般の事情にて、今回も見送りになりそうです(H文庫など、何社かで企画が挙がってはお流れになっています)。僕や二階堂氏でワイワイ言ってるのですが、みなさんも要望の声をあげてほしいです。それと、大阪訪問の際はぜひナニするのでアレされたし。

2140.そそそそそそそそそそれはもしかして 投稿者:かんとく  投稿日: 5月28日(月)23時33分04秒

『黒いトランク』も遂に復刻となるのでしょうかっ?! だとすれば幸せこの上なし!! 情報公開求む! MさんってあのMさんですよね?! ならば余計に情報をーっ!!!

 ……はあはあ。取り乱しました。申し訳ありませぬ。なお、以前から仄めかしておりました朗報がどうやら実現の運びとなりそうなので軽く触れさせていただきます。井上雅彦氏監修のアンソロジー・シリーズ『異形コレクション』6/7発売予定の最新刊『夢魔』に拙作が掲載されます。宜しければ御覧下さいませ。掲載にあたっては多くの方のお世話を賜り、この場を借りて改めて御礼申し上げます……しかし、掲載作は第一稿の完成から実に一年九ヶ月を経て日の目を見ることになったという、虚仮の一念と言うか何というか。

 ……それはさておき、ここ暫くの怠慢が祟って、一ヶ月で最低でも500枚は書かないといけない状況に陥りました。それでもあまり焦りを感じていないのは良い兆候なのか何なのか。一応、構想はほぼ完璧に近い故の安心感もあるのですけれど。ともあれ、六月はこれまでにもまして沈黙が長引くかと思いますが、気にせずご歓談下さい。ちなみに小説書きが終わると、何故か畑違いの仕事もすることになっていてますます意味不明の多忙さを極めております。……まあ、多少は実入りもあるので有り難いのですけど。その余波で大阪訪問の可能性も出てきたり。

2139.これは軌道修正になるのでしょうか(大汗) 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月28日(月)23時26分37秒

さてさて、田辺様が「軌道修正」を求められているのと、たまたまネタを持っていたので、図々しくも有坂登場させていただきました。

芦辺先生の周辺でもそれとなく話は通っているご様子の夏と冬の祭典・コミックマーケット。
この夏も有坂、どういうわけかスペースを確保できてしまいました。
というのも、実は応募する際に有坂自身としては書類不備があったので、今回は無理だろうとすっかりここ4ヶ月仕事の鬼と化し、今年に入って1枚も漫画を書いていないという驚愕(?)の事実。アンケート項目だったのですが、書類の方に解答を書いていながら、封筒の記入欄に書き忘れていたので、応募した後に愕然となって諦めて仕事をどかどかと入れた現在、当日参戦できるのかどうか非常に不安です。あぁ、どうかまた悪夢の兜町通い込みとか、3ヶ月4ヶ月と連続して休日返上の地獄にかち合いませんように…(涙)。←それよりも新刊を作る時間があるかどうかの時点を怪しめ、有坂。

ということで…というわけでもありませんが、芦辺先生および監督様、並びに、この掲示板にいらしている方で、同人誌活動をされている方々はいかがだったでしょうか。

…て、こんな話題振っちゃっていいのでしょうか(汗)。都合が悪いようでしたら容赦なく削除しちゃってください!!
そして、この話題は軌道修正のお役に立てるのでしょうか(濁汗)。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2138.究極の悪趣味本『無惨絵 江戸昭和英名二十八衆句』! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月28日(月)22時54分59秒

えーい、自分で話を振ったからには、たとえ「残虐非道、貪虐凶暴、眼を覆うばかりの血も涙もない、犬畜生にも劣る殺人鬼」と誹謗されようとも、カタをつけねばなりますまい。
と言う訳で、今回は私の書庫にあった悪趣味本のオンパレードです。良識ある良い子の皆さんは、決してこの書き込みを読まないように……。ほな、いきまっせーっ!

芦辺さんが立ち読みされたという「最後の部屋には首がある」は、『葬儀のあとの寝室』の中では最も穏やかな部類に属します。というのも、この作品では哀れな犠牲者は拷問にかけられている女ではなく、実はその拷問シーンを見るためにわざわざ大金を払っている男のほうであるという皮肉なパラドックスが扱われているからで、未熟な男の身勝手な義侠心を徹底的に嘲笑することにより、ちまちました中産階級の偽善性を暴くという、いささか文学的な主題が扱われているせいでしょう。とはいえ、ビル全体が一個の拷問器具として設計されているという着想は、海野十三の『怪塔王』がヒントになっているとはいえ、秋山氏の独創によるものであり、よくもこんな奇天烈な設定を考えたものだと思います。
一番まともな作品がこの有様ですから、他は推して知るべし。コーヒーに落ちた一滴の汗が引き金となり、夫と妻がお互いの飲み物に相手に知られないように自分の体液を混ぜ、だんだんそれがエスカレートしてとんでもない結末にいたる「妖液」、寝たきり老人となった夫婦がお互いに罵詈雑言の限りをつくし、醜い夫婦喧嘩を続けながら、ある朝固く抱き合ったままの死体で発見される「死婚」、妻と愛人の確執の末、双頭の胎児が生まれる「胎児たちの相似」、少女姦とカニバリズムの饗宴である「蕾と心臓」など、よくもこんな悪趣味な小説ばかり集めたものだと驚嘆いたしました。

この『葬儀のあとの寝室』に匹敵する悪趣味本と言えば……ありました! 昭和63年にリブロポト社から出版された『無惨絵 江戸昭和競作英名二十八衆句』! 
江戸時代の無惨絵に対し、丸尾末広、花輪和一の両氏が新たに昭和の無惨絵を描き下したもので、全編を貫く『血』のイメージは見る者に強烈な衝撃を与えます。
特に丸尾氏描くところの殺人肉屋フリッツ・ハールマン、デュッセルドルフの吸血鬼ペーター・キュルテン、連合赤軍リンチ事件の永田洋子、両親を金属バットで撲殺した一柳展也などは悪夢に出てきそうな出来映え! 絵というものの魔力をここまで見せつけた作品を私は他に知りません。
浮世絵研究化としても有名な高橋克彦氏の詳細な解説を附したこの本は、決して扇情的なキワモノではありませんが、やはり強烈な「悪趣味本」であることは否定出来ないでしょう。

余談ですが、乱歩作品に現れた嗜虐趣味を発展させ、今日のSM小説の基礎を築いたのが、千草忠夫氏だったのではないかと私は考えています。SM小説というとすぐ思い浮かぶのは団鬼六氏でしょうが、団氏の作品は純文学出身だけに非常に観念的であり、ストーリーも単調です。千草氏はもともと推理作家を目指していたらしく、旧「宝石」誌にも投稿の経験があるということですが、それだけにストーリー・テラーとしての才能は抜群で、被虐描写も非常に乱歩を思わせる書き方をしています。KKベストセラーズから出版された『千草忠夫選集』(全2巻)に収められた『くらやみ男爵』などはまさに乱歩の通俗長編を思わせる大長編でした。

う〜む、だんだんこの掲示板があぶない方向に向っていくなあ……。どなたか軌道修正をお願いいたします……。

2137.人それを朗報と呼ぶ 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月28日(月)03時45分09秒

 カッパノベルス用の中篇が書いても書いても終わらない……(なんか、毎度こんなこと言ってますね)

 んなことはどうでもいいのでして(私事だからという意味ですよ、担当Sさん!)、みなさまにうれしい情報をば。本格ミステリ大賞特別賞受賞を記念し、光文社文庫で鮎川先生の作品が連続して出ることになりました。

 そのうち『人それを情死と呼ぶ』の解説を依頼され、小躍りした次第(二階堂さんは『ペトロフ事件』の由)。枚数を訊くと「8〜10枚まで」とおっしゃるので、「ああ、80枚ですね」と言うなり電話を切りました。ということでいいですね、Mさん?

2136.『葬儀のあとの寝室』 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月27日(日)23時19分11秒

>田辺さん

 わわ、ちょっと間があいてのご登場と思ったら、またえらい本の話題をひっさげてこられましたね。この本、いっときはよく古書店で見かけたもので、今ではホラー趣味全開の国産作品というのはいくらでも流通しているわけですが、当時はかなり珍しかった。味のある短編集というのは好きなので、買おうかなと思ったこともあるのですが、まさにおっしゃるようなヤな内容で思いとどまってきました。

 だから、挙げられたようなエピソードがあったとは初耳でびっくりしました。イヤだな、この著者と発想に共通項があったなんて。唯一立ち読みで目を通したのは、何か一人の人間が何部屋にもまたがって自分の肉体を一部分ずつ露出するという「何じゃこりゃ!?」的話でした(「別冊幻想文学・日本幻想作家名鑑」で見たら「最後の部屋には首がある」だそうです)。

 この本と著者のことは「幻想文学」でも“究極の悪趣味本”といった感じで触れられていたと思います。今は好事家も多いので、いかにもカルト本みたいなことを言って(現にそうに違いありませんが)、押しつけちゃいましょう。

2135.大怪作『恥球男』! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月27日(日)21時18分05秒

久し振りに書庫の整理を思い立ち、古い本を整理していたら、昭和48年に新世紀書房から刊行された秋山正美の『葬儀のあとの寝室』という珍本を発見!
これは実に妖しげな本で、どうもこの新世紀書房という出版社自体、著者の秋山氏が自分の本を出すために設立したらしい節があります。
内容は13篇の怪奇小説を収めた作品集なのですが、文章は素人の習作丸出しの上に、書かれている内容は夫婦の傷付けあい、近親相姦、死姦、少女姦等の気の滅入るような題材ばかり。成程、これではまともな出版社からは出せないでしょう。
ところで、その中に収められている中編に「恥球男」という小説があるのですが、これが乱歩の通俗長編を思わせる出来映えになっているのです。内容は学園紛争華やかなりし六十年代、デモ隊と機動隊の激突の際に、三人の女子大生の突き出した竹槍に片目をえぐられた男が、十数年後にその三人を探し出し、血も凍るような残酷な復讐を遂げるという筋なのですが、最後にあっと驚くどんでん返しが……。
興味深いのは、作中映画として『地下拷問室のウインク』という残酷映画のことが語られるのですが、これがまるで芦辺さんの『怪人対名探偵』を彷彿とさせるものでした。
女豹のように残酷な暗黒街の女王が、億万長者の一人息子に思いを寄せ、彼の恋人である美少女を地下室へ監禁して、彼女に恋人を諦めさせるために、歴史上にあらわれたありとあらゆる拷問にかけるというものですが、これはまさに『怪人対名探偵』で殺人喜劇王が稲賀剛士の愛人・丘村志麻にあらゆる拷問を加えるシーンとそっくりです。う〜む、大乱歩の蒔いた種子はこんなところにも異形の花を咲かせていたか……。
ともあれ、この不吉な一冊を、はたしてどうしたものかと思案中であります。下手に処分したらとんでもない災厄に見舞われそうな気が……。

2134.Re:ご無沙汰しています(の便乗入場・・・・・・) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月25日(金)11時25分09秒

>アイナットさん

 こ、これはこちらこそお久しぶりです。以前はしじゅうそちらにお邪魔して、書き込みもさせていただいたのに、昨今はすっかりご無沙汰してしまいまして申し訳ありません。いやー、あのころはいろんなネタで参加させていただきまして、本当にいい刺激になりました。

 実はちょっと乱歩のめり込み状態から、意識的に一歩引いているのですが、またやります。次は『大暗室』+『黒蜥蜴』だ? またお邪魔しました折にはどうぞよろしく!

 最後になりましたが、就職活動終了おめでとうございます。よかったよかった。それにしても『保瀬警部』をお読みになるのですか、ホントに?……(ナイヤガラ汗)

2133.ご無沙汰しています(の便乗入場・・・・・・) 投稿者:アイナット  投稿日: 5月25日(金)03時21分13秒

どうもお久しぶりです。半年以上ぶりでしょうか。下手な言い訳としては、頻繁にROMはさせて戴いておりましたが、書き込むタイミングを逸し続けておりました。
それと個人的なことで、つい最近に就職活動が終了し、時間が有り余る状況になりましたので、芦辺さんの作品もこれから再び力入れて読み始めようかと考えております。とはいえ、正直なところ、現状手元の未読本は古本屋(汗)で入手した「保瀬警部最大
の冒険」のみ(滝汗)ですので、近いうちになにか買ってこようかと思います。ちょうど新作、ノベルス化、文庫化などなど多いみたいですし(^^)

ところで、新島ともか嬢、確か私は新山千春派だったと思いますが、さとう珠緒説、優香説、やはり人それぞれで随分とイメージが違うものですね。

http://inat.cool.ne.jp/rampo/


2132.予告 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月23日(水)14時35分36秒

 次の本にひょっとしたら(あくまで、ひょっとしたらです)森江春策のイラスト掲載されるやも。その場合、新島ともか像も描かれる可能性大。果たして彼女は誰風に描かれるのか? 新山千春かさとう珠緒か優香か?(森江君はどんな風になろうと、割とどうでもいい原作者の私)

2131.ありがたきかな 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月23日(水)00時14分35秒

>早見さん

 あ、ありがとうございます! 望外のご評価であります。いつもいつも《物語》の同志としての励まし、感謝しております。何か、今の新本格ミステリなり探偵役のあり方が訳わかんなくなっていた折だけに(お若い方々が提示する“名探偵”像に「え〜〜っ!!」ってなもんで、おれはもう時代遅れなのだなあと落ち込むこと多き昨今であります)、だいぶ気分が持ち直しました。感謝です。

2130.読了 投稿者:早見裕司  投稿日: 5月22日(火)17時19分45秒

 ちょっと風邪で寝込んでいる隙に(?)、『殺人喜劇のモダンシティ』と
『時の密室』を立て続けに読了。いや、都市奇談としても濃厚な小説で、
堪能いたしました。しかもミステリとしての仕掛けが凝っているのだから、
かないません。どうぞ、今後とも、この方向でのご活躍を期待しております。

http://www.hayami.net


2129.Re:再びご無沙汰してます 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月20日(日)23時09分19秒

>有坂はやせさん

 こちらこそ、ご無沙汰しております。『時の密室』へのご感想、ありがとうございました。「ぎっしり」「みっしり」は、私の創作においてのキーワードでもあります。通勤電車の途上、いっとき別世界に遊んでいただけたなら、実にうれしき限り。電車に乗り込むのを待ちかねて本を開いた私自身の勤め人時代のことを思い出したりします。今後とも、そうしたことを踏まえつつ頑張りますので、何とぞよろしく!

*******

 一度、見てみるべきだという同業者間で評判の(ホンマかいな)日曜のドラマ「ラブストーリー」、今夜も見落としてしまった。まあ別にいいですが。作家が豊川悦司で編集者が中山美穂ですか。ふーん(別に意味なし)。

2128.再びご無沙汰してます 投稿者:有坂はやせ  投稿日: 5月20日(日)20時28分39秒

お久しぶりです〜。先生をはじめ、皆様お元気そうでなによりです。
少し元気を分けていただきに(苦笑)お邪魔致しました。

今更ですが、昨日『時の密室』、澄み渡る空と風を堪能しながら近所の土手にて、愛犬・ランロット嬢をお供に読了しました!遅くなって申し訳ありません!!(×_×)
今回も大変ぎっしりとした内容で、先週会社帰りに本屋で発見して(大汗)手に取った瞬間
「密室がみっしり…」
と、いまどきの親父様でも宇宙空間まで引いてしまいそうな一言が脳裏を過った…のみならず、友人にメールで送ってメラギャッフ〜ンな思いを分けてあげてしまいました(滅殺)。
今回は懐かしいあの方とかあの方とかあの方…のご登場(ここにいらっしゃる皆様なら読了済みかと思いますが、ネタバレになるので伏せておきます)で、これは有坂的にサービスサービスで本当に嬉しかったです♪。いやぁ、おいしいです(謎)。ともかちゃんも変わらずぷりち〜vvvですし、この1週間世知辛い現実での昼休み、遠距離通勤な(といっても片道2時間少々ですが^^;)会社帰りの電車の時間が大変充実でした(^^)。
先生、素敵に重厚な物語を、本当に有難うございました!発売日をちゃんとチェックしていれば、皆様とリアルタイムでこの話題で盛り上がれただろうに…と思うと、本当に悔しくてなりません…。次回作ではこのようなことにならないよう、チェックは厳しく行こうと思っています。

このような駄文で長文な書き込みをしてしまい、申し訳ありませんでした<(_ _)>。

http://www.scn-net.ne.jp/~f-s/top.htm


2127.赤死病館 & モダン人妻問題 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月20日(日)14時07分27秒

>二階堂さん

 何かそんな風にもれ聞いていたのですが、あちらの『赤死病館殺人事件』は、題名だけの存在のようですね。“赤死病館”というのは小栗虫太郎の『紅殻駱駝の秘密』の原題“黒死病(ペスト)館事件”からの連想でしょうか。そういえば、『黒死館殺人事件』も当初は“黒死病館”だった由。実はこのタイトル、小栗虫太郎のインタビューで知って以来、僕も狙っていたのです。

 いやはや、この手の苦労は絶えませんな。それにしても、山田正紀さんがもしポーの「赤死病の仮面」をモチーフにした作品を書かれていたとしたら、こちらの着想など全て射抜かれ、先取りされて轟沈されていたことでしょう。

>まゆこさん

 八十全集の一件、見ましたよ。こうしたときに情けは無用。というより、愛深ければ許されるのです。たとえば、その全集を愛聴し続けることのできる年月を比べたとしたら……?

 それにしても「時代錯誤ツアー」はすごい。幻の《芦辺倶楽部》オフ会も負けてはいられませぬ(対抗してどうする)。それにしても、「この時期、明治村でのオフ会は寒いねー」とか言ってたらこの暑さは何だぁ!

2126.軌道修正。 投稿者:まゆこ  投稿日: 5月20日(日)12時54分15秒

うわああ、二階堂さんがいらっしゃってますね。ほんと、たった一行でも 書き込む人に
よって ワイルドに軌道修正されるものなんですねー。ドキドキ。

ところでリンクをさまよっていたら、西澤保彦さんのファンサイトがあるじゃないですかー!!
おそるおそる覗きに行って来ました。野間さん、柴田さんが運営されているのですね。すごい
密度の濃い空間(@@;;)。 西澤さんもわたし大好きなんです。「七回死んだ男」がとくに
もう素晴らしくって。ってここは芦辺さんのファンサイトでした。わたしはやっぱり
「モダンシティ」みたいな感覚の作品がいちばん好きだったりします。そういえば、近々、
関東のほうでナツメロ友達と十数人で、「時代錯誤ツアー」と題した昭和初期モダンコスプレ一日散歩
を敢行する予定なのですよ!あー楽しみ。そのためにパラソルとかいろいろ買い揃えております

八十全集の悲しい顛末に関しては、以下のアドレス参照なのでございます。うう。(号泣)
お暇なおりにでも。


http://www.happy-web.com/f_diarys/f_diarys_h/5045mayu2001/1.html


2125.赤病死館 投稿者:二階堂黎人  投稿日: 5月20日(日)08時59分00秒

山田正紀さんの『ミステリオペラ』に、赤死病館 というのが出てきます。

2124.突然日記「出た日が命日」2001年5月19日(土) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月19日(土)17時49分37秒

 この2、3日すっかり朝型になってしまいまして(小生を知る人ならば、これは執筆にとっていい徴候であることをご存じならむ)、ひじょーに一日に使いでがある。で、合間々々にクイーンその他、再読・初読進行中であります。クリスティの『白昼の悪魔』『雲をつかむ死』あたりの軽み(類型的人物を巧みに配置して読者に負担をかけない)に、「これは売れるわ」と思ったり。

 それと、昨日エラリー・クイーン・ファンクラブの会誌が届きまして、いやー、何と言いますか、こうしたファンジンを柄にもなく早起きした朝食どきに読んだりしていると、このうえなく嬉し楽しい気分であります。最新号とともに送っていただいた号で『オランダ靴の謎』が特集されていたこともあり、ちょっと書きかけの「赤死病の館……」を置いといて再読開始。

 読後の感想は……うーむ複雑。というか、こういう論理展開でしたっけ。『地底獣国の殺人』の読者カードで、年配らしき方から「『オランダ靴』のような本格を……」と感想をいただいて以来、この作品のことがずっと気になっていただけに、一言ではいえません。

*****

 上記の書き込みをしようとしたら、ありゃっ!>まゆこさん

 どうかどうかお気になさらず、お好みのネタをぶちかましてください。いくら軌道修正しても(したのか?)、再びアラヌ方向へ再修正されているのが当掲示板でございます。

 うむむ、悲しいことと西条八十全集の関係とは? 「へえ、お土産お土産」――それは西条凡児。

2123.す、すみません(TT 投稿者:まゆこ  投稿日: 5月19日(土)13時49分32秒

なんかおもいっきり掲示板の流れを変えてしまいましたね〜。
ミステリ話に軌道修正してください。
と言いつつ 下のラインナップではミスワカナの金色夜叉にとてつもなく惹かれます。

今日はすごく悲しいことがあって沈んでます。はああ。八十全集。

http://www1.neweb.ne.jp/wa/mayu/


2122.うわっ、さすがにそこまでは…… 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月18日(金)01時23分35秒

>まゆこさん

 お、恐れ入りましてございます。アザブラブ・伸、チェックしてみますです。ウルトラシリーズにザラブ星人てのがいましたが(全然関係あれへん)。それにしても、どうです諸兄諸姉、芦辺掲示板に集う人々の多士済々たること、かくの如しであります。

 ちなみに「上方漫才黄金時代」(COCF-13121)の収録内容は、

 横山エンタツ・花菱アチャコ/早慶戦
 初代ミスワカナ・玉松一郎/金色夜叉
 砂川捨丸・中村春代/あれこれ問答/動物学
 芦乃家雁玉・林田十郎/宴会戻り/運不運
 浪花家市松・芳子/歳末歌の蔵ざらえ/縁日風景
 轟一蝶・美代子/一人漫才
 五條家菊二・松枝/演芸押切帳
 松鶴家光晴・浮世事夢若/お笑い勧進帳/お笑い忠臣蔵/社長哲学
 浮世亭可楽・ミナミサザエ/空想は自由である
 東五九童・松葉蝶子/ボタンとリボン/私はジャズ・シンガー/運と災難
 三遊亭柳枝・南喜代子/スピード時代/赤いバラと白い卵
 秋田Aスケ・Bスケ/おさななじみ
 夢路いとし・喜味こいし/お笑い姿三四郎/僕は予言者
 中田ダイマル・ラケット/僕の漂流記/僕の夢君の夢/恋の手ほどき/僕の設計図
 ミスワカサ・島ひろし/ワカサの先代萩
 千歳家今治・今若/大阪神戸案内
 姿三平・浅草四郎/死ぬほど愛して
 西都波呂・次呂/嘘も方便
 (二)平和ラッパ・(三)日佐丸/親孝行の話
 暁伸・ミスハワイ/お笑い婦系図
 三遊亭小円・木村栄子/お笑い三人吉三
 秋山右楽・石川佐楽/お祭りとお酒

 ――だそうです。ああ、ますます何の掲示板かわからんようになってきた。

2121.漫才黄金時代。 投稿者:まゆこ  投稿日: 5月17日(木)23時47分49秒

上方漫才黄金時代・・・というとコロムビアファミリークラブで売ってた8枚組だか
10枚組だかの全集ですか???あれ、わたしも欲しかった時期がありました。
今は、知人にもらったテープがきっかけで、昭和のはじめのモガ・モボ漫才コンビ
アザブラブ・伸にハマり中な私。機会があったら芦辺さんもチェックしてみてください
(無いだろうけど・・・^^;;) めちゃめちゃ面白いですよ!!ラブさんサメてて超可愛いし。

先生の祝宴の折には是非わたしも呼んでくださいねっ!お祝い持って駆けつけます。

2120.Re:言われてみれば 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月17日(木)01時07分55秒

 ……本気だったんですね、ナツメロ式披露宴>まゆこさん。さすがなり〜。

 いやー、こうなったら小生の長年の夢、何ぞ節目になる祝宴の折(結婚式は今んとこリアリティがないので、出版記念会とか)にはバックグラウンド映像としてテックス・エイヴリー(アヴェリー)のアニメを流しまくるってやつ、ぜひ実行してやろう。ダイラケの漫才と並んで、私の「非日常の物語」愛好心を養ったものでありますからして。

 そのあたりの物語精神といいますか、そういったものをエンデの『はてしない物語』のバスチアン少年と芦辺拓を比較したりして(!)論じてくださった、古山裕樹氏による『地底獣国の殺人』文庫解説は必読でありますぞ! 感涙!!

 それはそれとして、「上方漫才黄金時代」のCDが18000円ってのはつらい。

2119.言われてみれば。 投稿者:まゆこ  投稿日: 5月16日(水)17時28分22秒

いやー、ほんとにナツメロ式なんですよ(笑)。
そのうち機会があったらビデオででもお見せしたいくらいの妙ちきりんな披露宴に
なることと思います。なにせ冒頭の迎賓が「美しき天然」(昔のフィルムでよくかかる
チンドン屋のメロディ)、それから「月光値千金」「私の青空」「二人は若い」「蘇州夜曲」etc
・・・でも、あー、言われてみると、「鴛鴦歌合戦」は披露宴にぴったりですよね!!
ギリギリだけど司会&音響まかせてるナツメロ友達に頼んでリストに加えてもらうことにします。
音響ネタ提供ありがとうございましたー。

http://www1.neweb.ne.jp/wa/mayu/


2118.そちらこそ、すごーい!! 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月16日(水)04時34分16秒

>まゆこさん

 おわっ、お久しぶりです。いつぞやは「鴛鴦歌合戦」関連のナニをありがとうございました。そうか、挙式はあとでなさると言っておられましたが、二週間後とは! そりゃ今は殺人的スケジュールなことでしょう。そちらのHPのタイトルも変更されてだいぶたつので、もうお式をすまされたとばかり思っていました。この場を借りまして、おめでとうございます!

 さぞ懐メロ(not 演歌!!!)の鳴り響く華燭の典となるでありましょう。町内の若い衆に扮した男性コーラスと町娘のかけあいで、♪おっ富さんたら、お富さん ♪なーにか用なのおっしゃいな ♪あーれさ全く情けない、文の返事はいつくれる そこへ大名の行列、歌いながら登場。ボークは若い殿様、家来ども喜べ〜。何やかやありまして、ラストは全員で大合唱――♪浮かれてシャナリと、おしどりさんが夢と歌のパラダイス〜……いやー、めでたい!

 何のことだかわからん人は、マキノ雅広(当時・正博)監督の大傑作明朗時代劇ミュージカル「鴛鴦歌合戦」をチェックだ! 何とこの映画はアメリカの“The Internet Movie Database”にも載っているのです。

2117.すごーい!! 投稿者:まゆこ  投稿日: 5月15日(火)20時02分51秒

しばらくご無沙汰してるうちに、すっごく進化してますね!!びっくり。
ご真影も ハードボイルドちっくで素敵です。

わたしは、というと結婚式を二週間後にひかえて ゆっくり読書を楽しむ暇も
ない日々ですが 余裕ができ次第(経済的にも^^;;)またいろいろ読ませて
いただきますので そのうちまた感想など書きに参ります。
はぁ 忙しい〜。


2116.突然日記「出た日が命日」 2001年5月12日(土) 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月13日(日)04時49分49秒

 唐突の復活、そして(たぶん)消滅……。

 今日は先にたまってゆくとよくなさそうな小さな仕事を片付けてゆこうというので、『地底獣国の殺人』文庫化に合わせての「IN★POCKET」エッセイ、カッパノベルス“の館”シリーズ第2弾(中篇集)に向けた「ジャーロ」誌エッセイ、『十三番目の陪審員』のあとがきに付す「文庫版のためのそえがき」などを仕上げたところけっこう疲れ、さらに昼前に届いた「小説推理」連載の著者校をしたら、眠くて眠くてトリックの夜の散歩もサボって寝てしまいました。三時少し前に目が覚めましたが、そのときはまだ何かネムかったです。

 コラム的な記事というのは、枚数的な少なさに比して疲労度が高いと聞いていましたが、本当ですね。こうした仕事とそれに絡む雑事の多い某サブカル系ライター氏の日記をときどき見て、しょっちゅう外出してイベントに参加したり友人と会食しておられるタフさに驚きましたが、そうでもしないと煮詰まってしまうのでしょうね。

 それにしても、あれが文庫化されるの、どれはどうだとか、これらの作品の元本を書いていた当時からするとイイ気なことを書いていますね。文庫化なんて夢のまた夢だったあのころを忘れずに怨念の焔を燃やそう、じゃなくてガンバロー。それにしても、明日とは言わずすぐにも急ぎの中長篇に復帰しなくては……。

2115.Re:『自治警特捜』シリーズキャスティング表 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月12日(土)21時54分31秒

>田辺さん

 これはおみごとな推理! すると、その日めくりを挟んだ人は、そうした珍本を連日のように入手していったのですな。それは何ともうらやましい。

 キャスト表、おみごと! しかし唯一、知事役だけは気に入りませんなぁ。それにしてもテレビドラマ好きにはこたえられない配役です。

2114.『自治警特捜』シリーズキャスティング表 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月12日(土)19時24分01秒

架之様。
『死者を鞭打て』に挟まれていた日めくりの謎……。確かに日常のミステリーですね。
私はこんな風に推理してみたのですが……。
その本の元の持ち主は、昔ながらの探偵小説の大ファンでした。たまたま鮎川先生の『死者を鞭打て』を読んでいると、忘れられた探偵小説作家の坪田宏氏を始めとして、独多甚九氏、本間田麻誉氏、大坪砂男氏、弘田喬太郎氏の名前が載っていたので、その記載を頼りにこれらの作家の作品を古本屋で次々に探して買い求めていったのです。日めくりの日付は古本屋で目指す作家の作品を手に入れられた日で、それを心覚えのために『死者を鞭打て』の該当ページである12Pと13Pに挟んでいったのです……。というのが私の推理なのですが……。

芦辺様。
「新島ともか=優香」とはなかなか鋭いキャスティングですね。う〜む、ともか嬢は「癒し系」であったか……。
私も暇にまかせて、「自治警特捜」シリーズがテレビ化された際のキャスティングを考えて見たのですが……。

   支倉遼介警部   役所広司
   赤津宗和刑事   稲垣悟郎
   蒔岡久美刑事   鈴木京香
   玉村由梨子婦警  深田恭子
   大槌警視     金田龍之介

   小野瀬一雄    古尾谷雅人
   御子柴悟     藤原竜也

   維康豹一府知事  青島幸男     

う〜む、いかにも二時間サスペンス的なキャスティングですね……。

2113.非日常の謎? 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月10日(木)01時59分52秒

>架之さん

 これはどうも面白いエピソードをありがとうございます。うーむ、その日めくりが本来の目的に沿って毎日はぐっていったものか、何か別の用途のためまとめてちぎり取られたものか、日がそろっている割には抜けがあったりして、つかみどころがないですね。本に挟んであったというのも、挟む本が主体か挟まれる紙片に意味があったのか……?

 しかし、しかしです。非キャラ萌え(ただし森江その他萌えは歓迎――何でや)、非メタ趣向(それならあの作品のアレはどうなんだと言われそうですが、アレは別なのです)、非バーチャル設定(前項に同じ!)とともに「非日常の謎」を標榜している私としてはなまなかな解決ではいけませぬ。何かこう、ここからクイーン大兄のごとき華麗なる大論理(後半100ページほど、森江春策しゃべりっぱなし)で、ヒエー、ウギャオー、ドドーンというような驚愕の真相を導き出さねばいけませぬ。うーん、うーん……。

 この場を借りましておわび。新世紀早々、珍しくも商売繁盛にとりまぎれまして、このページにもおいでの『前夜祭』応募者のみなさんの作品への感想を述べておりません。相成るべくは期待せずに、半ば忘却しつつお待ちください。

2112.日常の謎? 投稿者:架之  投稿日: 5月 9日(水)15時46分15秒

連休中旅行に出かけてましたので、久しぶりに書き込みさせていただきます(まさかデスクトップをそのまま持って行くわけにはいきませんから)。ちなみに島根のほうへ出かけたのですが、行く途中に通った広島市内で「歴史街道 54」と書かれた看板を発見! おお、歴史街道! 車で通り過ぎながら、しばらくありがたやありがたやと拝んでしまいました。
ところで、題名にこう書いたのは、理由があってのことですもちろん(クィーンの話題で盛り上がっている最中、最悪のタイミングで水をさすようで申し訳ないと想ったのですが……)。
連休も明けた日の夜、古本屋へ買い物に出かけたのですが、そこで双葉社より出た鮎川哲也先生の『死者を笞打て』(「双葉社推理小説シリーズH」として出た本です。昭和47年6月15日発行)を購入しました。しかし、ページを開いてみると、中に日めくりカレンダーが挟まっていたのです。1枚くらいなら栞代わりだろうと想像がつくのですが、15枚がまとめて挟まっていました。15×10cmくらいの大きさで、左の方がいずれも長くて、土曜が青、日曜が赤で印刷されています。挟まっていた日付は2月18日水曜日のものから29日日曜日までで、3月1日が欠けていて、3月2日火曜日、3日水曜日ときて、また飛んで、12日木曜、13日金曜で終わりです。ぱらぱらとめくってみたのですが、他の日にちは見つかりませんでした。挟まっていたページはP12「日曜日になると朝早く起きて空気銃を肩に……」とP13「……本格派の坪田宏という人もいる。けれども、いくら」の間です。その古本屋には毎日大量の本が売られてきますし、チェーン店なので横流し品という可能性もあるため、出所はわかりません。店員の人が挟んだ(挟んでしまった)とも考えにくいですし、散々ない知恵を絞ったのですが、脳みそがスポンジになっても、結局判らずじまいです(疑問に想ったら時を止めてしまう能力がなくてよかったと、真剣に考えてしまいました(西澤保彦先生、ごめんなさい))。「50円玉20枚」ほど魅力的ではないかもしれませんが、この掲示板を御覧の方で、推理力に自身のある方、どうか回答を見つけてくださらないでしょうか。賞金も粗品もありませんが、どうかよろしくお願いします。
ところで、芦辺拓先生。『時の誘拐』がノベルス化されるそうですね。おめでとうございます! ハードカバー版をブックオフなどで探し回っているのですが見つからず(笑)、しかもまだ読んでいない作品ですので(笑うに笑えない……)、非常に嬉しいお知らせです! 予定ではいつ頃になるのでしょう。考えるだけで、胸がわくわくしています! あと、森江春策氏は、自分の中では何故か柳葉敏郎だったりします(駄目、でしょうか……? ちょっと年齢が合わないかなあ……)。

2111.無駄話 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 9日(水)01時43分38秒

 以前からよくお手紙をいただく札幌の読者の方(「別冊シャレード」などでイラストを描いてくださいました)からいただいたご感想の中に、〈新島ともか=優香〉説が!! うーむ、なるほど。って、単にそれだけの話ですが。

 この方はまだネットを始めていないので、森江春策のキャスティングとしてここで挙げられた、袴田吉彦説、田辺誠一説、城島茂説、堂本剛説、西村雅彦説、筒井道隆説、春風亭小朝説(!)などを教えてあげよう。しかし、この諸氏のファンの人が検索でここに出てきたら何かと思うだろうな。

 いま、小野瀬一雄がなかなか悪事を始めないので困っております。

2110.こんなエラリー・クイーンは 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 8日(火)01時24分24秒

……いかがでしょうか(下記)。いやー、こんな森江春策を誰か描いてくれんかな。特に下の方のやつ。また藤田香画伯に頼もう。その前に中身が必要なのは言うまでもありませんが。

 GWも終わって、お尻に火がついてきましたが、こことリンクしている某掲示板である方が『保瀬警部最大の冒険』を手に入れた旨を書き込んでおられ、読まれてどんな風に思われるかと思うと気が気ではなく、仕事に手がつきません。

 田辺さんがおっしゃる「どんとどんと……」の件は、単に訳者が「訳せなかったから」でしょう。『スペイン岬』は確か歴史的悪訳らしいので。それにしても『保瀬警部』が心配だ。長年積み上げた信用も、あの一冊でひとたまりもなかったりして。

http://meltingpot.fortunecity.com/kirkland/266/eq/eqcb.htm


2109.祝! 『時の誘拐』ノベルズ化! 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月 7日(月)19時18分23秒

芦辺様。
祝! 『時の誘拐』ノベルズ化決定! あの版元さんは二階堂さんの『吸血の家』や『悪霊の館』をハードカバーからノベルズにしてくれた実績がありますね。その意味では良心的と言えるのかも……。
ただ、上記の二作品が文庫化される際にはK談社から出されている経緯を考えると、『時の誘拐』も文庫化の際はK談社から刊行されるのでしょうか? 『殺人喜劇の13人』『殺人喜劇のモダン・シティ』の例もありますし……。

おお、『赤死病の館の殺人』の刊行も決定ですか! 某作品とのリンクの関係を心配しておりましたが、無事に刊行の運びとなって、よかったよかった。
あ、ところで有栖川有栖氏のシリーズキャラクター、江神二郎も『赤死館殺人事件』という大長編を執筆している筈なのですが……。こちらの完結は何時なのでしょう?

クイーンの再読書とは羨ましい……。パズラーとしての側面ばかり強調されがちなクイーンですが、彼等ほど時代に則した本格ミステリを模索したミステリ作家も珍しいのではないでしょうか?
『十日間の不思議』で、それまで名探偵としての名声を確立していた作中のクイーンというキャラクターを、とうとう名探偵の座から引きずり下してしまった大英断……。「ミステリ・マガジン」の編集とともに、常に新時代に相応しいミステリの形を模索し続けた功績は、もっと評価されてしかるべきかも知れません。(でも、国名シリーズはもっと続けてほしかった……)

あ、そう言えば、戦前の『スペイン岬の謎』の翻訳で、エラリーが愛車に乗って歌を口ずさむ場面を、「どんとどんとどんと波乗り越えて〜」と翻訳した訳者がいるとか……。う〜む、英語の歌詞が当時の読者に馴染まないと判断したためでしょうが、涙香なみの翻案ですな……。
英米の怪談を数多く翻訳した故・平井呈一氏は、アイルランドやイングランド地方の方言を翻訳するのに、東北や北陸の方言を用いたそうですが、エラリーが「どんとどとどんと〜」と歌ったとは思いたくないなあ……。



2108.連休明け情報! 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 7日(月)17時31分32秒

『時の誘拐』、夏以降にノベルス化決定(みなさんが、ハードカバー版をブックオフなどで捜しているのを版元さんが見かねて刊行が決まった――というのは嘘)

『赤死病の館の殺人』(森江もの中短編集)は夏前にたぶん出るでしょう(これは希望的観測)。

 その「赤死病」に七転八倒しているうちに過ぎたGWでしたが、その合間のクイーン読書は実に何というか至福体験でしたね。クイーンにすら物語性を見てしまう僕も、つくづくワンパターンの気味がありますが、彼(彼ら)の作品世界そのものは決してワンパターンではない。

 それにしても、カーにしろクリスティにしろクロフツにしろ、時代に応じて変容を余儀なくされたり、あるいは変化を先取りしつつも(クイーンが国名シリーズを打ち切った決断は、よく考えるとすごいことです)ひたすら書き続けたことによって実に豊かなものを残してくれました。

 今さらですが、クイーンが登場しないのでとっつきにくいかもしれない『ガラスの村』、必読であります。なるほど、本格ミステリ作家たるもの《時代》に対してはこういう答え方をしたわけか。

2107.Re:映画! 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 6日(日)17時23分26秒

>菫さん

 これはお久しぶりです。「落ちた偶像」ですか。なぜだろう、不思議に縁のなかった映画です。原作グレアム・グリーン、監督キャロル・リードつながりで言うと「第三の男」が、リアルタイムで見た人たちの激賞ほどにはピンと来なかったせいで、「落ちた偶像」にも食指が動かなかったのかもしれません。というか、その「終わり方」を先に知ってしまったのが大きいと思います。

 それより、お名前を見てちょっとびっくりしました。そのわけは今、七転八倒している書き下ろし中篇がぶじ出来上がればわかるでしょう。何しろ、「菫」を含めた色の名が頭の中を乱舞しておりまして……。

 買い込んだ海外ミステリをお子たちにそろそろ出してあげようなんて、いい話ですね。クイーン再読・初読、ぼちぼち続けていますが、当たり前の話ながら実にいいですよ。クリスティは『アクロイド』とか『オリエント急行』とか『そして誰も』とか軒並みネタバレされたので、ひっじょーに読むのがつらかった経験がたたって、今いちのめり込めなかったので宝の山がけっこう残っています。

 というか学生時代とかはひたすら名作・傑作を主に追っかけていたのですが、最近妙に凡作やすべった作品に寛容になっているのはトシのせいか、それとも現在の稼業ゆえでありましょうか。

2106.映画! 投稿者:  投稿日: 5月 6日(日)06時58分37秒

懐かしい「フロント・ページ」もうかなり忘れてるので、きっと見たら楽しめるとは思うけれど
もう一度見たいのは「落ちた偶像」です。こんな終わり方でいいの?と思った記憶があるので
クイーンはどこまで読んだのだろう、クリスティならほとんど全部実家においてあるんだけれど。
凝ってたのは中学時代の友人で「あたしはクイーンにするから貴方はクリスティ」と手分けしてお小遣いをつぎ込んでました。
そろそろ子供達に出してやらなければ、、、先日も「赤毛のアン」シリーズを買って来たので
うちに帰ればあるのに〜とつい言ってしまいました。

2105.クイーンにまつわる微苦笑な思い出 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 3日(木)21時43分51秒

>田辺さん

 そうそう、「アパートの鍵貸します」! まさにあの作品には、そうしたウイッティでトリッキーな語り口がぎっしり詰まっていましたね。ワイルダーという人は、映画的なのびやかさと演劇的な構築性をみごとに重ね合わせてみせてくれる人で(その好例が「フロント・ページ」であり、クリスティ原作の「情婦」)、ひょっとしたら本格ミステリを完璧に映画化できる唯一の人だったかも。クイーン原作、I・A・L・ダイアモンド脚本、ワイルダー監督の国名シリーズ! うーん、思いっきり1930年代へのノスタルジーに満ちそうで、ため息が出そう。ダイアモンドは死んだので、もう無理ですけど。

>かんとく

 これはどうもありがとうございます。クイーン再読の印象、僕のそれとぴたり重なりますね。むむ、ワイルダーに映画化してほしかったのは、国名シリーズもさることながら……?誰も指摘してませんが、クイーン作品の法廷シーンを含めたドラマティックな展開やロマンス趣向、追っかけシーンなんかは、まさによき時代のハリウッド映画以外の何ものでもなく(『エジプト十字架』のヤードリー教授なんて、もろコメディ・リリーフですよね)、そのゴージャス感が精緻なパズル趣向を一方で支えていることは間違いないでしょう。

 そうそう、今度文庫化される『地底獣国の殺人』の初刊時、編集部から読者カードを見せてもらったのですが、その中の年配の方のご感想に、ちょっと微苦笑というか、頭をかきたい気分になりました。曰く――「こんな変てこなものでなく、『オランダ靴』や『X』『Y』『Z』のような正統派のミステリを書いてください」。うーむ、なるほど……。以来、このご要望は僕にとって一つの課題になりました。まぁ、気長かつご寛容にお待ちください。

2104.さっ 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月 3日(木)21時20分31秒

かんとく様。
早速の御対応、ありがとうございます。

クイーンの再読とは羨ましい……。私も国名シリーズやライツヴィル物を夢中で読み漁った時期がありました。十代、二十代の頃は国名シリーズの徹底した論理性を偏愛したものですが、最近は後期の「悩めるエラリィ」も捨て難いと思っています。因みに私の最愛の長編は『九尾の猫』でしょうか……。

『ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件』は私的には文句なく今年のベスト・ワンです。ある意味、中井英夫氏の『虚無への供物』に匹敵するのではないでしょうか……。

2103.田辺さんの書き込みを見ていると 投稿者:かんとく  投稿日: 5月 3日(木)19時18分55秒

 買って積んであるだけの『ミステリオペラ』を読み始めたくなります……。

 私も今になって時々クイーンが読み直したくなります。先日、訳あって『中途の家』を再読(正しくはハヤカワ文庫の『途中の家』が最初で、東京創元社版『中途の家』はこれが初めて)したのですが、その古さ、描法の粗さなどを越えて溢れるような機知と意欲に惚れ惚れしてしまいました。因みに私にとってのクイーン最愛の長篇は『災厄の町』です……って大昔に書いたな。

 実はこれが本題。田辺さんの二重書き込みを、一方のみ削除させていただきました。併せて削除依頼の書き込みも消させていただきましたので、事後ながらご連絡しておきます。

2102.「アパートの鍵貸します」の映像トリック 投稿者:田辺 正幸  投稿日: 5月 3日(木)18時34分24秒

ビリー・ワイルダー監督といえば、70年代ニュー・シネマの旗手として有名ですが、『アパートの鍵貸します』で見事な映像トリックとも言うべき手法を用いていますね。ちょうどミステリにおける叙述トリックに似た味わいがあって、非常に興味深いです。

愛するシャーリー・マクレーンが上司の不倫相手だったことを知ったジャック・レモンは、会社を辞めて別の街に行こうと、アパートで引越しの準備をしています。たまたま荷物に紛れていた拳銃を見つけ、レモンはじっとそれを見つめます……。一方、マクレーンは不倫を清算してレモンのアパートに向いつつあります。彼女がアパートの玄関に入った途端、「パーン」という音が聞こえます。レモンの身に何かが起こったいとを直感した彼女は、彼の名前を叫びながらアパートの階段を駆け上がって行きます……。
観客は当然、人生に絶望したレモンが拳銃で自殺したものと思うのですが、マクレーンがレモンの部屋のドアを開けると、そこにはシャンパンの瓶を持ったレモンの姿が……。実は「パーン」という音の正体はシャンパンの栓を抜いた音であり、映画は一転してハリウッドらしいハッピー・エンドを迎えるという趣向になっています。

いかにも洒落た都会派コメディなのですが、こういう観客の先入観を逆手に取った映画作りというのはかなり以前からあったようで、松田道雄氏の「トリックものがたり」によれば、チャップリンの短編映画にもこんな作品があるとか……。

のんだくれの夫に愛想をつかした妻が「貴方がお酒を止めるまで私は戻りません」という置き手紙を残して家を出てしまいます。夫は観客に背を向け、壁に向って肩を震わせます。泣いているのか……。と思いきや、カメラが夫の前に回ると、夫はこれ幸いとばかりにカクテルのシェーカーを振っている、という落ちなのですが……。

ここまで書いて気がつきましたが、最近刊行されたばかりの山田正紀氏の大作「ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件」の中で、この「アパートの鍵貸します」の映画手法が重要なファクターとして使われていました。う〜む、小説と掲示板の話題がリンクするとは……。さすが天性のストーリー・テラー。山田氏、恐るべし!


2101.映画「フロント・ページ」のこと 投稿者:芦辺 拓  投稿日: 5月 2日(水)03時55分24秒

 いま、久しぶりにビリー・ワイルダー監督の手になるこの作品(1974製作)をテレビで見ているのですが(字幕、ノーカット版は初めてのはず)、大恐慌直前のシカゴを舞台にジャック・レモン、ウォルター・マッソーら新聞記者と死刑囚、警察や市長まで巻き込んでの大騒動、やはりメチャクチャに面白いです。

 今はヘタってしまったベータビデオで吹き替え版を数え切れないほど見、同じ原作戯曲をもとにした「犯罪都市」(1931)に「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)、テレビ界に舞台を移した「スイッチング・チャンネル」(1987)のビデオまで集めたぐらいです。僕がいたころの新聞社は鉛活字印刷の末期でしたが、技術的にはこの物語の当時とほとんど変わらず、編集局の雰囲気も似たようなものがありました。そういえば、吉本興業の大物プロデューサーに会ったとき、「フロント・ページ」を全編大阪弁で翻訳したい――とかバカなことを言いましたっけ。

 それはともかくとして、こりゃー、森江春策の新聞記者時代の話も書かなくっちゃな。もっとも、彼は本社では事件記者はやってないはずなので、地方の県警詰めとかサツ回りのときの物語ですね。

 ところが今回気がついたことが一つ。舞台となるシカゴ刑事裁判所のプレスルームの一員で、キザなせいで煙たがられてる初老の記者を演じているのはジム・ハットン主演のTVシリーズ「エラリー・クイーン」でクイーン警視を演じたデヴィッド・ウェインじゃないですか。そこから連想して、このドラマには大学出たてのおっそろしく頼りない記者が、猛者たちの只中に派遣されてくるのですが、これがどうにも「ギリシャ棺の謎」のころのエラリーに見えてしょうがないのです。

 みんなからおちょくられる彼を唯一かばうのが、クイーン警視役の人なのも何となくおかし。ハーバードを終えたばかりで警察の捜査に首を突っ込んだエラリーは、ヴェリー部長刑事や現場の記者たちの目からすると、さぞかしこんな風に見えたのでは……?

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